会社設立後の法的なトラブルを防ぐ基本的な考え方

会社経営というと、いろいろな落とし穴があります。

 

成長途上の場合はともかく、ある程度実績が出始めると、いろいろな方面から声がかかったり、つながりができはじめます。

 

これが問題のないつながりであればいいのですが、万一相手が反社会的勢力など問題のある人や、関係がある会社であったりすると、様々な意味でトラブルになることがあります。

 

また、業務の契約に関する契約書上のトラブルや、契約書を結ばなかったことによるトラブルなど、法的トラブルというのはけして軽視できる物ではありません。

 

法的トラブルを防ぐ上で重要な考え方をシンプルにまとめます。

 

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法的トラブルを会社設立初期から防ぐシンプルな4つのルール

法的トラブルと言っても、契約上の問題、訴訟を受けた、損害を与えられた、反社会的勢力と関与してしまったなど様々なケースがあるかと思います。

 

トラブルの形は複数ですが、基本としては、

  • 契約は口約束にしない。契約書は熟読して納得してから印鑑を押す
  • うまい話はない
  • 違和感を感じたら、弁護士など法律専門家に相談する
  • 関わる相手を限定する

という4つの点に気を配ることが基本かと思います。

 

契約は口約束にしない。契約書は熟読して納得してから印鑑を押す

創業初期にありがちなのが、仕事の約束を口約束で行ってしまうこと。少額の取引であれば、メールなどでも問題はないですが、長期・金額の大きい取引であれば契約書を作成することが大切です。

 

また、相手方から契約書を差し入れられた場合、契約内容はまず間違いなく、「相手方にとって有利な内容」になっています。

 

特に重要な契約の場合は、弁護士のリーガルチェックを入れるなどした方が良いでしょう。

 

うまい話はない

あまりにも当たり前すぎる話ですが、自分の会社の経営がいまいち、と言うときにおいしい案件が来ると、飛びつきたくなるかもしれません。

 

特に、現状がうまく行っていないと、判断能力が鈍り、一発逆転的な話や、荒唐無稽な話に騙されてしまう可能性もあり得ます。

 

話が理想的であればあるほど、「なぜこのクライアント(人)は、この話を持ってきたのか?」を冷静に考え、時には友人や弁護士などにセカンドオピニオンを得る必要があると言えます。

 

違和感を感じたら、弁護士など法律専門家等に相談する

法務・税務・労務などバックオフィス周りに限らず、「あれ、大丈夫か?」と感じたら、専門家に相談することです。

 

法務であれば弁護士、税務であれば税理士、労務であれば、社会保険労務士というふうに。

 

多くの会社は税理士・社会保険労務士とは顧問契約を結んでいるとは思いますが、法務に関しても、スポット相談で都度報酬を支払い質問したり、顧問契約を締結するなどして、「疑問に思うことを相談できる環境」を作った方が良いと言えます。

 

関わる相手を限定する

人脈・人脈と関わる人を広げようとすると、反社会的勢力や詐欺まがいの行為を行う人物などと関わってしまう可能性もゼロではありません。

 

特に、詐欺師ほど外面はいいですので、油断していると取り込まれてしまう恐れもあります。

 

加えて、華美な生活をSNSで見せびらかしているタイプの人は、特に注意した方が良いでしょう。

 

そういう人と関わりがあるだけでも良識を疑われる恐れがありますし、自信も「インスタでセレブ生活を見せびらかしたり、それに憧れるグループ」と思われる可能性もあります。

 

屏風を広げすぎると倒れるのと同じで、人脈も変に広げるのではなく、自社の強みを磨き、その強みを正当に評価してくれる、まっとうな人・法人と関わっていった方が良いと言えます。

 

また、人脈の広い人に限って、マルチまがい商法・投資など社会的評価の分かれるビジネスに関わっているケースもありうるものです。

 

実際、元有名企業の社長・役員であったという人であっても、ごく一部ではありますが、マルチなどに関わっている、もしくはその噂があるケースもあります。

 

自分自身が不当な誤解を受けないためにも、交友に関してはきちんと考えて行った方がよいでしょう。

 

 

 

 

 

法人と個人事業の信用度の違いを考えてみた

よく、法人と個人事業は信用度に違いがあると言われます。

 

当然、会社としても、一個人事業主と取引するより、法人と取引した方が信頼性が高いというのは想像が付きます。

 

でもその理由を具体的に説明せよと言われると、多くの人が「うーん」となると思います。

 

そこで、法人と個人事業の信用度が違う理由を考察してみましょう。

 

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会社はあらゆるデータがクリアであるという事実

個人事業と比べて、会社の場合は、様々なデータが公開されています。

 

「資本金」「登記簿に役員・法人の所在地の記載」「(株式会社に限られるが年1度の決算書の公告義務」「個人事業と違い、所有と経営が分離されている」など、様々なデータが公に公開されています。

 

また経営と個人が概念上は分離されているため、個人は個人、会社は会社と明確な分離が行われています。

 

事業の永続性や許認可の継承も、法人の方が有利

加えて、事業の永続性や免許(許認可)という点でも、法人の方が有利と言えます。

 

まず、免許(許認可)という点では、個人事業の場合、代表者に対して免許が与えられるものの、代表者が亡くなるなど万一の事があれば、再度許認可を取得する必要があります。

 

一方法人であれば、許認可が法人に対して与えられているため、許認可の引き継ぎは個人のケースより容易になります。

 

事業の永続性という点でも、個人事業の場合は経営者=個人という側面が極めて強いですが、法人の場合は必ずしも経営者=事業の株式の所有者ではない、「経営と資本の分離」が実現されていますので、全く資本を有していない人物が経営に代表取締役として経営に参画するなどあっても問題はありません。

 

資本(株式)を有していても、仕事がある程度軌道に乗り、創業者の自分がいなくても大丈夫、とわかれば、有能な人物を経営に参画させ、自身はファウンダー・株主として存在し、事業には最小限しか関与しない、ということもできるのです。

 

融資を受ける際にも、法人が有利

日本政策金融公庫・金融機関から融資を受ける場合も、法人が有利です。

 

なぜなら、上記で述べたとおり、会社が登記されているという公的な証明があり、元々社会的信用力があるからです。

 

また、融資を申請する際も、元々会社の決算書類は複式簿記で作成されていますので、金融機関側としても、資料として信用しやすくなります。

 

法人の場合、ハードルは高いが、代表者が借入の連帯保証人にならなくて良いケースも出てきている

 

これまでは融資を受ける際に、代表取締役や実質的経営者が連帯保証人となることを求められるケースが多かったですが、「経営者保証に関するガイドライン」という指針ができ、「法人の借入に対する経営者の連帯保証は外していこう」という方針が明確になりました。

 

そのため、お金を借りる際も、個人事業だと当然自分の名義で借り入れするしかありませんが、法人だと、法人の名義、しかも代表者の個人保証がないケースで借りられる可能性もあります。(ただ、あくまで可能性であり、従来と同様、個人保証を求められる可能性もあることは承知しておいて下さい)

 

いずれにせよ、以前に比べ、金融庁など公的機関も「個人保証によらない融資」を求めており、今後も個人保証を減らしていく、という流れは強まっていくのではないかと思います。

 

このように、法人は信用度の高さだけでなく、制度上、経営者に対し有利になる仕組みも作られています。

 

ただ、このような制度に関する情報を、経営者個人が仕事をしながら集めていくことは、非常に大変です。

 

会社設立を専門とする事業者や、税理士・社会保険労務士・弁護士など、複雑な制度に精通したブレーンの力を借りることで、あらゆる制度を活用した、効率的な経営を実現することができるでしょう。

 

(参考書籍:らくらく個人事業と株式会社 「どっちがトク?」がすべてわかる本)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

法人と個人事業、どちらが節税になる?個人事業を法人にした方がいいケース。法人のメリットは?

前回での記事は、法人と個人事業の違いなどを書きました。

 

法人と個人事業の違いというのはよく聞かれます。

 

よくある質問の一つとして、「会社を法人にすることで、節税になるって聞くけど、具体的にはどういうことなの?」という事項があります。

 

確かに、個人事業である程度売り上げが立ったら、法人化するといいということはよく聞かれます。

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一般論としては、所得が500万円を超えたら、法人化する方がお得

本当は、法人化一つにしても様々な条件があるので、「このときはこう」とストレートに言いにくい所があります。

 

一般論でいくと、売上から経費を引いた額にあたる「所得」が500万円を越えたら、法人化をした方がお得になってくると言えます。

 

所得500万円のケースだと、個人事業の場合、所得税・住民税・個人事業税などを計算すると、ざっくりと88万円近くの税金がかかると言われています。

 

一方会社だと、法人税の対象にはならず、法人住民税が70,000円、事業はゼロ、所得税・住民税なども含めると、おおよそ60万近くの税金になります。

 

ただ、これは社会保険料の負担などを計算に入れていないため、社会保険料負担も考えると、計算が変わってくることが想定できます。

(参考書籍:らくらく個人事業と株式会社 どっちがトク?がすべてわかる本)

 

さらに、所得が1,000万円を越えると、個人事業では約269万円の税金、法人では約189万円の税金と、所得が上がれば上がるほど、個人より法人の方が特になっていきます。

ここまでくると、社会保険料などの支払いも含めても、法人化の方が確実にお得なゾーンと言えます。

青色申告を行う際、繰越損失が長いのも法人のお得なポイント

会社を設立すると、信用や節税の面などに目が行きがちになりますが、意外と見落としやすい会社設立のメリットとして、「青色申告を行えば、会社の場合は9年間赤字を繰り越すことができる(その後の黒字は、これまでの赤字と相殺し、節税できる)」というメリットがあります。(個人事業で青色申告を行っている場合は3年間)

 

9年も赤字を繰り越すというケースって・・・、と考えそうになりますが、今現在のコロナ禍で、想定を大きな損失が発生している企業も多いですよね。

 

一旦金融機関より融資を受けて、手元の現預金を確保することはできても、2020年の新型コロナウイルスの影響により生じた損失を取り戻すには、売上を挙げていくことが前提になります。

 

その際、3年間までしか損失を繰り越せない個人の青色申告と、9年間損失を繰り越せる法人の青色申告と、どちらが有利かは一目瞭然ですよね。

 

このように、税率や信用以外にも、個人事業より会社がお得なケースも多いのです。

 

会社は生命保険料の一部・もしくは全額を損金にできるというメリットも

個人事業の場合、事業主自身が被保険者になる保険は、損金にならず税務上不利になります。

 

一方、会社の場合は保険料の一部もしくは全額を損金扱いにできるため、個人事業主として保険に加入するより、法人で加入した方が節税ができるようになります。

 

旅費交通費の出張日当も、法人なら経費にできるが、個人事業主は経費にできない

仕事をしていると(現在は新型コロナウイルスの影響もあり、なかなか出張というのも減りましたが・・・)出張日当を経費にできる法人は便利です。

 

個人事業主の場合は、旅費交通費として支払った実費額を必要経費とできる一方、出張日当などを支払った場合においては、必要経費とすることができません。

 

しかし、法人であれば、出張旅費規程を作成することで、規定した額を全額必要経費とする事ができます。

 

他にも、法人ならではの節税・お得になるポイントを挙げるときりがないですが、一定の所得になれば、法人化を行った方が、いろいろな意味で有利になると言えましょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

会社を設立するのと、個人事業とどちらがいいのと聞かれたので、個人的な印象を書いてみる

最近、会社勤めの友人や知人から、「フリーになるにしても、会社作る人と、作らないで個人でいろいろやっている人がいるよね。あの違いってなに?」

と聞かれました。

 

確かに、会社勤めでフリーランスや経営者になった経験がないと、なかなか会社設立するのと、個人事業のままで行くことの違いってわからないよな、と思うので、

 

  • 会社を設立するのと個人事業の違いって?

という部分に、何回か分けていろいろ触れていきたいと思います。

 

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会社設立と個人事業の違いのシンプルな雑感

まず、会社を設立する事と、個人事業を行うことの違いで大きな要素は、

  • 個人事業は書類一枚(開業届)+青色申告承認申請書を出せば始められる
  • 会社設立は、設立費用が30万円近くかかるし(株式会社の場合)非常に面倒な手続きがある

 

と言う点で、個人事業は意外と敷居が低く、逆に法人化(会社設立)は敷居が高いということが言えます。

 

このように楽に始められる個人事業なのですが、「社会的信用」や「世間の聞こえ」という点では、正直きついかな・・・、というのが率直な所です。

 

法人化すると、回りの聞こえが全然違う

 

極端な例ですが、個人事業をしている人が「フリーランスです」と言うのと、実質一人会社だけど法人の代表取締役をしている人が「○○株式会社の社長です」というのでは、全然聞こえが違ってきますよね。

 

会社設立は、設立手続きや会社ならではの税務など、ややこしいことをやる必要はありますが、その分社会的信用度も違います。

 

詳しい人なら、資本金や業態・規模を調べて「これはフリーランスに近いな」ということがわかるかもしれません。

 

しかし、意外と世間というのはイメージで判断しがちで、極端な人では「個人事業主・フリーランス」をフリーターと混同し、一方で会社の代表取締役であれば、「社長なのですごい」と思ってくる人もいます。

 

ある程度知識のあるサラリーマンでも、従事する分野によっては、こんなものだったりします。

 

0から始めるなら個人事業もいいけど、ある程度目処が立ったら法人化しよう

 

ただ、いきなり会社設立を薦めるかというと、必ずしもそうではありません。

 

「クライアントが法人でないと取引できないと言っている」など、既にルートが開拓できており、しかも相手が法人化を求めている場合でもない限りは、個人事業からのスタートが無難かと思います。

 

人によっては、「起業に対する覚悟を決めるために法人化すべきだ」みたいな話をする人もいますが、このへんは事業を興す人自身の自覚の問題ですし、「○○すべき」という強い論調に引っ張られても、あまり意味はないのでは、というのが率直な所です。

 

もちろん、ベンチャーキャピタルなどから出資を受けるなど、人様のお金を預かって行う場合は例外で、事業に対し本気で取り組むことは必要です。

 

でも、あくまで自分で0から始めますというケースでは、無理がないようにやって行くことが、長い目で見ると良いのではないかと思います。

 

もちろん、事業が拡大し、信用のさらなる構築や節税などの課題ができてくれば、その時点では会社設立を積極的に考えていく必要があるでしょう。

 

もし法人化か個人事業かで悩んでいるのであれば、まず仕事を取るところから始めてみよう

法人がいいか、個人事業がいいかという、ニワトリが先か、卵が先か的な事で悩んで時間を消費するのはもったいないです。

 

それよりも、とりあえず開業届だけでも出し、まず仕事を取ってくる、そういう「仕事を得る、そして仕事を完成させ、信頼を少しずつ積み重ねていく」部分にエネルギーを注いだ方が良いでしょう。

 

どんな仕事でも、まず自分で仕事を得て、実績を挙げることが次に繋がります。

 

いくら社長であっても、仕事がなければ「名ばかり社長」でしかありません。

 

まずは何でも仕事を得る、そこがスタートラインです。

 

法人と個人事業の違いの話になると、いくらでも話が出てくるので、今後も折を見て、触れていきますね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

会社の代表取締役の住所は、第三者でも簡単に調べられてしまう問題

こんにちは、さいもーです。

 

ご存じの方も多いとは思うのですが、代表取締役の住所というのは、第三者でも、法務局で数百円を支払い、登記簿を取得すると調べることができます。(以前はオンラインでも可能であったが、現在は一般向けのオンラインサービスでは表示されない仕様に)

 

個人情報にうるさい人なら、「住所という個人情報が第三者でも取れるなんてけしからん!」となりそうなのですが、昔からこういう仕組みになってしまっています・・・。

 

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なぜ会社の代表取締役の住所が、法務局で取得できてしまうのか?

法律上では、会社法で、代表取締役の氏名・住所を登記することが義務化されており、登記簿謄本(全部事項証明)を取得すると、第三者でも代表取締役の氏名・住所を調べられてしまいます。

 

これは本来、

  • 訴訟が提起された場合、会社の事務所がない(消滅)場合でも、代表取締役の住所に訴状を送付できるようにするため
  • 会社の計画倒産や詐欺被害で、民事・刑事での責任追及をするために、代表者の住所は必要

など、会社と取引をする第三者や、被害を受けた第三者の権利を守るために行われていることであります。

 

また、

  • 登記に関する手続きの書類が会社に送れなかった場合に自宅へ送付する
  • 登記を怠る、いわゆる登記懈怠の通知などを行う際に代表取締役の住所・氏名が必要

という事情もあります。

 

ほかにも登記事項証明書には、資本金や事業目的、役員の重任・退任などが書かれており、どれくらいの資本があるか、どんな事業を行っているか、役員の動きが頻繁ではないかなど調べられるようになっています。

 

ただ、起業をする側としては、「氏名+住所」という情報を、第三者でも閲覧できてしまうと言うのは、正直あまり気分のいいものではないですよね・・・。

 

ただ、当面は「こういう仕組みなんだ」と割り切って対応する必要があります。

 

意外と忘れがちな、代表取締役の氏名・住所変更の登記忘れに注意!

さきほど、代表取締役の氏名・住所は公開されていると書きましたが、結婚で姓が変わったり、事情で改名をしたり、引っ越しをした際には、2週間以内に法務局へ氏名もしくは住所の変更届を出す必要があります。

 

2週間を過ぎても、手続き自体はできますが、あまりに遅い場合などは、登記懈怠(とうきけたい)ということで、代表者個人に対して100万円以下の過料が課されることになっています。

(実態としては、数万円から10万円くらいが一般的なようで、いわゆる「前科」にはなりません)

 

住所の変更もですが、結婚により姓が変わった場合など、姓名が変更になった場合も、変更登記の手続きが必要ですので、司法書士に依頼するか、法務局で手続きを行う必要があります。

 

さすがに手続き忘れで、少なくない過料を科されるのはもったいないというのが正直なところです。手続き忘れがないよう、注意しましょう。

 

今後も、代表取締役の登記事項証明書への住所記載は変わらない方向?

一時期、プライバシーの関係等を考慮し、登記事項証明書でも、代表者の住所を確認できないようにするべきだ、という意見がありましたが、現状の所では、変更しないという方向性のままのようです。

 

プライバシーに極端にこだわる人であれば(有名人など)、セカンドハウスなど普段住まない所に住民票を置き、印鑑証明書でセカンドハウスの住所を示すというケースもあ想定し得ますが、居住実態が曖昧な場所を住所として届け出ることは、コンプライアンスの面で微妙と言えます。

 

また、アパート・マンションの場合は、当記事にマンション名・部屋番号を記載するかしないかは自由ですので、登記の際に、会社設立の代行業者さんや司法書士さんに確認した上で、部屋番号を登記しないことも可能です。

 

いずれにせよ、代表取締役の氏名・住所は、法務局で取得できるという事実は抑えておいた方がいいですし、これから会社を設立する人で気になることがある場合は、会社設立代行事業者、司法書士に相談するのが確実です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いろいろ話題のマイナンバー、会社設立にも使えるとアピールされているけれど・・・

こんにちは、さいもーです。

ちょっと前から、特別定額給付金の給付で、マイナンバーを活用した電子申請ができるという触れ込みでしたけど、フタを明けてみると、申請ミスや重複申請など、いろいろなトラブルが表面化していますね・・。

 

また、持続化給付金についても、オンライン申請だけという仕様にしたら、トラブル続出で、いろんなところで問題になっていますね。

 

今回、あまり良くない方向でマイナンバーが話題になりましたが、マイナンバーのシステム自体は、今後いろいろ拡充させ、幅広い方向に使えるようにしようとしているようです。

 

機能拡充の一つとして、「マイナンバーカードを取得していると、会社設立の流れを全てオンラインでできる」という方針が出ています。

 

しかし、現在のところは、マイナンバーカードで、会社設立「後」の手続きが、部分的にできる程度にとどまっています。

 

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今マイナンバーでできる、会社設立関係の手続きとは?

マイナンバーのポータルサイトにアクセスすると、

「法人設立ワンストップサービスを使うと、法人設立関連の全てをオンラインで行えます」という旨のメッセージが出てきます。

 

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しかし、画面に目立つ、「法人設立関連手続 かんたん問診・申請を押すと・・」

 

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いきなり、「法人番号を取得していますか?」というメッセージ。

 

これ、かんたん?とツッコみたくなりますが、「わからない」を押すと、

 

法人設立の手続を実施するには法人番号の取得が必要となります。

 

というメッセージが。

 

 

法人設立の手続きに法人番号が必要って何なんだよ・・・とツッコみたくなります。

 

 

結局、2020年6月時点では、法人の設立登記の手続きに関しては、これまでと同じように、専門家に依頼するなり、自分で公証人役場や法務局を回って手続きを行うしかないんですね。

 

法人設立後の手続きは税務・雇用関係の手続きはマイナンバーカードを使ってできるわけですが、なんというか、中途半端なモヤモヤ感・・・。

 

そして、現状マイナンバーで可能な手続きを見ても、「どの手続きをすればいいのかわからない」というのが正直なところです。

 

現状では、マイナンバーの法人設立ワンストップサービスではなく、専門家にまるごと依頼した方が早い

このように、マイナンバーの法人設立ワンストップサービスは、できること、わかりやすさの面で課題があります。

 

特別定額給付金では、マイナンバーを活用しても、その先が紙ベースで処理されるので、紙よりも役所側の手間が余計にかかるというケースが問題になりました。

 

マイナンバーでできる法人設立ワンストップサービスも、肝心な「法人設立そのもの」の手続きができません。

 

このように、現時点では、システムはあっても運用面で不十分な点が多くあり、「法人設立ワンストップサービス」が活用できるケースは限られる、というのが現状です。

 

首相官邸のページでは、法人設立ワンストップサービスについて

H32年度中に、登記手続も含め、全手続をワンストップで完了できるようにするべく、開発等を進める。

と記載されていますが、今のところは開発状況に関して明確な動きはなく、平成32年度、つまり令和2年度にシステムが整備されるかの目処は不明確です。

 

この現状に、さらに現在のコロナ渦ですので、ワンストップサービスがどこまで作り込めるかは、不明確と言えましょう。

 

また、会社設立後の手続き自体を見ても、「ある程度会社設立の知識がある人には使えるシステムかもしれないが、普通の社会人が、書籍やレクチャーなどなしに、このシステムを使って会社設立の後の手続きをするのは難しいのではないか」と思ってしまいます。

 

今後のシステムの整備に期待したいところですが、システムである程度自動化されても、資本金の問題や許認可の問題、その他手続きの問題はシステム上で指摘してくれません。

 

ワンストップサービスができても、当面は、専門家に依頼した方が確実ではないか、と正直思います・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

経営者の先輩から学んだ、「リモートワークが当たり前」という体制を作ることは重要という考え

こんにちは、さいもーです。

 

小綺麗なオフィス要らない論

 

先日経営者仲間(というか先輩たち)とZOOM飲みをしていたのですが、

コロナの後わかったけど、ちょっと規模が大きくなっても小規模コアオフィスとリモートワーク前提にした方がいいよ」、というアドバイスを受けました。

 

先輩は、渋谷の結構いい立地にこぎれいなオフィスを構えていたのですが、一連のコロナ騒動で、「あれ、いかにもベンチャーなオフィスいらないんじゃね?」ということを強く実感したそうです。

 

更に先輩は熱く語り続けます。

 

「実際、営業のコア的部分としては、営業拠点として最小限のオフィス機能を残した方がいいものの、オフィスを大きくしていくとコストがかかる。そして今回のコロナ渦で、オフィスが密になる状況はヤバいと思った、と。

 

だから、社長や一部の社員が必要な時に出社して、後はリモートでいいじゃん」と。

 

これまでベンチャー界隈だと、綺麗なオフィス、好立地、福利厚生などいろいろ大企業とは違う角度で良さを押し出していたけど、先輩が言うには、「綺麗なオフィスやキラキラ社員に惹かれて来る奴なんて要らねぇよ。ちょっと経歴が微妙でも、それより結果出すために、うちの考え方にフィットして、自走式でやれる奴の方が欲しい。そういうのだったら給料喜んで出したいしさ。」

 

と、かなり割り切った、ストレートな発言。

 

でも、本社は本社で拠点として残せとのアドバイス

ここまで、リモートワークの必要性を熱く語ってきた先輩ですが、その後、

だからといって、本社まで社長の自宅にはしない方がいい。人によるけどさ。あくまで本社機能として、最低限の事務所は、融資や信用、その他いろんな面で残した方がいいぞ。今なら、『コロナで本社機能を最小限に縮小しました』って言い訳が効くけど、あんまり縮小しすぎてレンタルオフィスやバーチャルオフィス、自宅なんかを本社にしてしまうと、『外から見ていて、大丈夫?』ってなる。

 

そこら辺は、会社設立の時にお世話になった人や税理士さんに、『融資とか信用面も含めて、大丈夫っすかねー』、って一応相談した方がいいにはいいけどな。」

 

 

酒が入っているせいか、先輩のマシンガントークは続きます。

 

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コスト削減だけじゃない、リモートで低コスト・かつ魅力ある人材の選択肢が広がる

「リモートワークって、確かに効率が悪い面もある。これまでだったら立ち話とかでいろいろコミュニケーションしたりできたろ?でも、今はそういうことがあまりしにくい空気になってる。それに、普通に一緒にオフィスで仕事してると、どんな実績出せない奴でも、情が移って、『こいつ仕事でバリュー出せてないから、いらないじゃん』ってなっちゃう。

 

でも、リモートワークなら、誰がどういう役目を果たしているのかがテキストベース・数値ベースで露骨に出るから、発言や数字を見て答えが出しやすくなる。

 

だから、『仕事をしているふりがうまい奴』というのが炙り出されるわけよ。」

 

先輩、辛口だなぁ・・・、と思いつつ、僕も「そうですねー」と相づちを打ちながら聞いていると、さらに先輩はヒートアップ。

 

「でさぁ、リモートワークって、地方の人材、特に結構いい大学出てるけど、旦那が転勤で子育て中、出産前まではバリバリやってきた子育てママさんみたいな人いるじゃん。

 

ああいう、潜在能力があるのに、地方という環境のせいで仕事が限られる人って、思いの他多いのよ。うちも子育て中のママさんや、シングルマザーの人に今試用期間中で働いてもらっているけど、2人とも、『田舎なので給料がある程度あって、スキルが活かせる仕事場がなかった』と言ってて、ともかく働けるのが嬉しいってさ。

 

下手な若手雇うより、こういう家庭の事情で・・・、って人をリモートワークで使えると強いよ。」

 

先輩の話はこの後も続きましたが、長くなるのでまた書きますね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

withコロナ時代の、会社設立と設立後のあり方

こんばんは、さいもーです。

 

新型コロナ、皆さんも聞き飽きましたよね・・・。

 

でも、タイミングや業態として、withコロナ時代に適した業態(IT)で起業できた事は良かったと思います。

 

withコロナの時代に、店内型飲食店をやったら茨の道だった

withコロナの時代ということで、飲食店なんかは、店も開けられなかったし、明けたらあけたで、顧客がソーシャルディスタンスを保てるようにしないと行けない、あるいはテイクアウトメニューなど、最小限の規模でやらざるを得なかったので、マジきつかったと思います。

 

(逆に、好立地に省スペースのテイクアウト専門店なら、まだ行ける余地はあるかも?」ということをと思いますが)

 

どちらにしても、withコロナの時代には、「人の接触や近接、会話を伴うビジネス」というのは当分厳しくなるでしょう。

 

前々から言っているとおり、リモート対応ができる専門家と付き合うべき

僕の場合、新型コロナの関係もあるので、ほぼフルリモートで会社設立をしたり、その後の手続きをお願いしたわけですが、弁護士さん、税理士さん、司法書士さんなどの専門業界って、今のコロナ状況下でも「いや、直接会う必要がありますから」という人、結構いるそうです。

 

業界の年齢自体も高いし、業界内の偉いさんたちが古い考えを持っていて、新しいものに対する抵抗も多いと。

 

だから、若くて(というか年齢問わず柔軟性があって)、今の新しい生活様式に対応できる専門家と付き合うべきなんですよね。

 

前も書いたかもしれませんが、ZOOMやSkype対応と、SlackかChatwork対応はマストだと思ってます。電話とFAX、メールでしか連絡できません、ではちょっと微妙です。

 

シンプルに考えて、わからないことがあるときに専門家に電話して返答を待つのと、Slackで、質問事項を端的に打って答えを返してもらうのとでは、電話の返事を待つ必要もないし、電話で思考が中断されることもないし、答えはテキストベースで返ってくるからメモをする必要もない、いろんな意味で合理的ですよね。

 

会社設立後は、筋肉質な会社作りを

会社設立をしたあとに求められるのは、無駄のない(事業の仕組み・人員)、筋肉質な会社作りだと思っています。

 

特にwithコロナの時代は、「できるだけ所有しない」「必要なものには投資するが、それ以外は最小限」など、投資の傾斜配分を考えていく必要があります。

 

逆に言うと、仕事に関わる部分(人・モノ)には徹底的に投資した方が良いわけです。

 

PC環境は、作業効率UPのために徹底的にこだわった

僕らのようなIT業種は、当然PCや通信環境、作業デスクや椅子は、お金をかけてなんぼです。

 

PC本体は、堅牢性のあるノートPCで、Corei7、メモリ16GB、SSD512GBと、まあまあのスペックのものを購入。

 

ただ、やはりノート環境とデスクトップ環境では、作業効率が全然違います。

 

なので、ディスプレイとして外付けの4K、31.5インチディスプレイ(これ以上大きいと持て余す)、キーボードは打ち心地が良いと言われるリアルフォース、マウスも人間工学に配慮したデザインと、できるだけ目線が下向きにならない環境を整えています。

 

その上で、デスクも幅170CMでぐらぐらしない堅牢性のあるもの、チェアも中古ですがスチールケースのジェスチャーチェアという、人間工学に配慮した椅子を購入。(普通に買うと、この類いの椅子は15万~20万ぐらいします・・・)

 

もちろん、回線も光回線のため、通信時のストレスはありません。

 

これだけでも、3,40万と結構な投資額になりますが、ともかく業務環境構築にはお金をかけるべきです。

 

 

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モノだけではなく、人・サービスにも投資せよ

話が大分ずれましたが、結論としては、「withコロナ」の時代を見据えて、必要なものに投資せよ!ということです。

 

人・サービスも同じで、特にサービスは、形に見えないものだからこそケチってはいけません。

 

旧友の弁護士がこう話していました。

「最近、友達だから負けてって言ってくる奴いるけど、大体お金ないんだよ。そいつらは、知恵に投資をするという発想が欠けてる。俺も知識を得るために、相当な時間と費用をつぎ込んでいるからな。そういう、『知識に対し、きちんと支出できる礼儀を持った人間か』ってのは、成功としょぼい人間を分けるな。」と。

 

作業環境や人への投資という考え、大切です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ビデオ会議・ビジネスチャットなどWeb相談対応に対応している事の大切さ

こんにちは、さいもーです。

仕事でかなり忙殺されていますが、睡眠はしっかり取っているのでなんとかなっています。

 

ちょうど今日、外出自粛の解除が発表されますね。東京・大阪はいつになるかですが、とりあえず早く経済が回って、普通に飲みに行ったり、ふらっと街の食堂でご飯を食べられる日が復活して欲しいです。

 

さて、今回は、会社設立まわりで、事業者さんや専門家の方たちのIT対応に関する話です。

 

もともとITの世界にいたので、何でもWebでというのが当たり前と、空気のように思っていたのですが、離れていろいろな事業者さんの話を聞いていると、ちょっと前までは、「Slack?なにそれ。Zoom・Teamsって一体?」とか、「やっぱり商談は直じゃないと。よくCMでやってるビデオでの売り込みって・・」などと、ITの仕組みに対する無理解や誤解が結構あるように感じていました。

 

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Webを通した対応はmustとなった

今、多くの会社がWebを通した打ち合わせを中心としていますが、会社設立の代行業者とか専門家というのは、意外と対応できているところとそうでないところの差が大きいです。

(余談ですが、税理士さんなんかは業務の性質上リモートワークが基本的に難しいそうで・・・・)

 

ただ、やっぱり今の時期は、不必要な外出を避けるのが原則である以上、できるだけビデオ会議やSlack、Chatwork、MS teamsなどでサクッと連絡できた方が、いろいろな意味でいいですよね。

 

私がお願いしているところは、ベルフェイスのWeb会議システムやZoom対応、相談したい事に関してもメールだけでなくSlackやChatworkなどで臨機応変に対応してくれるため、「これ聞きたいけどちょっと面談や電話までするのはな・・・」ということでも、ビジネスチャットでしっかり対応してくれるのでありがたいです。

 

ついでにいうと、この「ちょっと聞きたいこと」を確認しておけるかって、専門家の方たちの知識を活用する上ですごく便利なんですよね。

 

先日も、IT補助金という、ITに関する整備を2分の1~3分の2まで補助してくれる制度に応募しました。

 

これも、向こうから「あ、そういえばこういう制度が始まりますよ」という話題がなければ、知ることはなかったでしょう。

 

先方も、手続き制度自体はできる限りの範囲で代行してくれるので、非常に便利ですし、せっかく使える制度については、使わないともったいないですものね。

 

当面は、ほとんどの事がWebを中心に進んでいく

新型コロナウイルスの関係で「新しい生活様式」などいろいろ言われる中で、多くの人が在宅での仕事になったり、飲みはZoom飲みになったりと、なんやかんやで新しい様式に合うようシフトしていますよね。

 

この様式になれると、これまでは通勤・対面が当たり前だったのが、全てオンラインにシフト、この形は当面定着すると思います。

 

結局、オンラインで出来ることはオンラインでした方が、いろんな意味で効率的ではかどるとみんなが実感してしまったので。

 

そうすると、Web対応できる事業者・専門家であることはmustの条件になってくるかと思いますが、専門の士業の友人いわく、「うちらの業界、平均年齢高いし、未だにIT対応できないセンセイって多いんだよね・・・。」と。

 

まあ事業者や地域によるところも多いのでしょうが、意外と専門業界でのIT活用は、進んでいるところとこれからのところがあるようです。

 

Webサービスに対する価値観の違い

僕も仕事柄、いろいろな業種の方と接しますが、新しい仕組みを取り入れていける柔軟性があるかというのは大切なんですよね。

 

また、結構どの業界も、昔ながらの慣習やしきたりみたいなものがあって、それを破るといろいろあるみたいな。

 

そういう点に関しても、前からの習慣でいい点は守るにしても、改善すべき点は改善し、今の時代に合うように改良していく事は大事で、昔のやり方にとらわれる状態というのはちょっとどうかな・・・、と思います。

 

今、FAXってまず使いませんよね?

これも昔ながらの業界あるあるですが、FAXが重要な連絡手段になっている業界って、今でも結構あるんです。

 

本屋さんなんかは注文書や会社からの新刊案内が普通にFAXで来るそうだし、官公庁の連絡も、さすがにメールが多くなりましたが、連絡手段としてFAXを使うことは結構あるそうです。

 

また、建設業、士業、不動産業の知人なども、「意外とFAX使うよ-」ってことがあるそうで、不動産業の知人は、物件情報をFAXで受けたり流したりする、こういう前からの慣習が定着しているみたいですね。

 

海外だとFAXは過去の遺物みたいに言われますが、日本では今でも結構利用されていますよ、ということで。

 

 

いろいろと書いてきましたが、本音を言うと、「時代は進化しているんだから、どの業界も非効率なやり方を改めて、Webベースで完結するようにしてしまった方が、いろんな意味でいいのでは?」と感じます。

 

会社によっては、ハンコを押すためだけ、郵便物を確認するだけのために出社するという、非効率的な事をせざるを得ない会社も少なくないので。もう少し効率的に出来るといいな、と感じます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

新型コロナウイルス下での法人設立

こんにちは、さいもーです。

 

新型コロナウイルスの自粛規制、長いですよね・・・。

 

一部の県は規制解除がされるみたいですが、ビジネスの中心である東京は、引き続き外出自粛規制がかかっています。

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社会の構造が、接触から非接触に変わっている現在だからこそ・・・

 

この状況だと、極力出歩きたくないですよね。

 

一方、今までの社会の仕組みがガラリと変わる可能性もあり(特にWebシフト)、これからの時代に対応した会社を設立したい、と思っている方もいらっしゃるかもしれません。

 

これまでの社会だとなかなか参入できなかった分野が、今後のコロナウイルス対策の一環として参入しやすくなったり、新しい産業分野が出来てくることが見込まれます。

 

とはいえ、自分で会社を設立しようとすると、法務局・公証人役場など「三密」の状態を満たすところに直接赴かざるをえません。

 

これまでも、設立は専門家にお願いした方が、後のことも含めいいよ、ということは話してきましたが、今回の状況だと、「ぜひ専門家に依頼する」くらいのトーンで、会社設立の代行業者や税理士などにお願いした方が望ましいです。

 

Web会議機能を使いこなせ、最小限の手続きで会社設立をお願いできる会社か?

会社設立の場合は、本人確認の義務があります。犯罪収益移転防止法という法律があり、不正な目的で(マネーローンダリングなど)会社が設立されないよう、本人確認や、疑わしい場合は拒否など行う制度だそうです。

 

この本人確認に関しては、Web会議の機能と本人確認書類のデータ提出でできる事業者も出てきていますが、代行業者・事務所によっては直接の本人確認を求められるケースも想定できます。

 

ただ、現在の状況下だと、家から極力出ずに手続きが出来た方がいいですよね。また、意外な裏技なのですが、レターパックプラスを利用すると、郵便局がレターパックプラスを取りに来てくれますので、市区町村役場での印鑑証明書取得(これも、マイナンバーがあればコンビニで出来ます)以外は外に出ることなく、スムースに会社設立ができます。

 

これから当面の間、非対面の手続きが前提となる中で、テレビ電話・Web会議など非対面での打ち合わせが出来るかはとても重要です。

 

初期段階だけでなく、設立後なども、テレビ電話・Web会議・ビジネスチャットなどのWebサービスを利用し会社設立が出来ることで、打ち合わせにかかる時間や労力も節約でき、相当な負担が減ります。

 

新型コロナウイルス後を見据えた補助金・助成金の活用を提案してくれる事業者・事務所か?

今は新型コロナウイルスの持続化給付金や特別定額給付金の話がしょっちゅう話題になっていますが、今後新型コロナウイルスが一定の落ち着きを見せ、日本として反転攻勢に出る場合に備え、様々な形の補助金・助成金が作られ、また準備もされています。

 

経済産業省のホームページにいろいろな補助メニューが出ていますが、目立つ物だけでも、

  • IT導入補助金
  • ものづくり補助金
  • 持続化補助金

など複数あり、他にも通常提供されている補助金・助成金も含めると、相当な数の助成金・補助金があります。

 

また、当然ビジネスを進めていく上では、日本政策金融公庫の創業融資や、信用保証協会の保証付き銀行融資などを得ていくことも重要です。

 

ただ、経営者自身が適した補助金・助成金や融資制度を探して行くのは大変です。会社設立だけでなく、補助金・助成金や融資に強い代行会社・事務所であれば、このような制度探しをせずとも、「この事業を行いたいならこの制度があるから使いましょう」という形で、向こうから適した案を出してくれやすくなります。

 

また、現在は多くの税理士事務所・社会保険労務士事務所などは、補助金・助成金のスポット業務(顧問先以外の業務)を断っている状態とも聞きます。

 

特に、雇用調整助成金というのがものすごく面倒だそうで、なかなか個人レベルでは作成できないと。ただ、会社設立の時点で事業者・事務所を利用し、そのまま顧問契約をしていれば、補助金・助成金関係の手続きも含めてお願いができるケースが多いでしょう。

 

経営者が制度探しをするというのは時間の無駄でしかなく、やはり餅は餅屋という言葉があるように、補助金・助成金は税理士・社会保険労務士等の専門家や専門家とのパイプを持つ会社設立の代行業者にお願いした方が早いです。

 

補助金・助成金に関して、気をつけたい点は?

  • 補助金、助成金とも、特定の事に対し全額支給というケースは少ない
  • 補助金の場合、採択される必要があったり、募集期間などのタイミングがある
  • 補助金の場合は、申請→支出→支給というプロセスのケースが多く、先にお金を出し、後から半分、3分の2など一定割合が補填されるケースが多い
  • 補助金・助成金受給のために書類作成をする必要がある
  • 虚偽の補助金・助成金申請を行うと、利息などもつけて全額返金する義務が生じ、会社名・代表者名など公表され、大幅なイメージダウンになったり、悪質な場合は刑事告発されることもある

 

このように、補助金・助成金は、いろいろと注意する点があります。(もちろんこれ、詳しい人からのうけ売りなんですけどね・・・)

 

いずれにせよ、活用できる制度は積極的に活用していきましょう。

会社設立もその後も、プロとのコミュニケーションが大事!

会社設立後、異常なまでに忙しいです・・・・。

 

正直、色々やっていて、新型コロナウイルスの影響を感じない、ということはさすがにないです。ですが、多くのことがオンラインに移行しているため、実店舗や輸出入のように、新型コロナウイルスの影響をダイレクトに受けることは免れています。

 

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プロの持つ情報量は莫大、また事例をいっぱい扱うからこそ、これからの先行きも見通してくれる

 

専門家といろいろ話した上で、当初の方針を変え、基本自分+一部仲間などに外注・業務委託契約という身軽なスタイルにしたことも大きかったです。

 

人を直接雇用すると、毎月給与・各種税金・社会保険料の他様々な費用が飛んでいきます。つまり、固定費となり、毎月大きな支出としてのしかかってくるのです。

 

一方、必要な時に得意な人に依頼する、という形であれば、毎月のランニングコストを変動費にすることができ、現在のような「これからの先行きが不透明な時代」では、毎月の固定的な負担を減らすことができます。

 

自分自身、当初は拡大志向でしたが、ちょうどこのブログを立ち上げたり、会社を作るころから、新型コロナウイルスの陰はちらついていました。

 

加えて、昨年10月からの消費税で、既に景気はヤバくなり始めているぞ、ということも、肌感覚に加え、会社設立時やその後の専門家との相談で「これは他人事ではない」と気づきました。

 

ただ、自分だけだったら「どうにかなるでしょ!」という勢いで拡大しようと、借入やら雇用、家賃高めの事務所賃貸やらでアクセルを踏み込みすぎて、クラッシュしていたかもしれません。

 

専門家と話し、当初から事業の方向性を変えた(ピボット)のが功を奏した

 

専門家とのコミュニケーションを踏まえ、

  • まずプロダクトを作るなり、営業代行など各種代行、受託などでキャッシュを手堅く稼ぐ経験をする
  • 景気局面が交代する段階では、拡大よりも手堅いプランを立てた方がよい

これに加え、今回のコロナウイルスが拡大しはじめたころから、税理士さんと話していて、

  • コロナウイルスに関する様々な業種への影響は拡大する
  • 今後は攻めより守りのプロダクトや、テレワークなどの時流に乗ったプロダクトが受ける
  • 様々な意味で「最悪の事態」を想定し、それでもダメージが少ない事業・身軽な体制にする

という形で、最初自分が考えていた事業と、ちょっと方向性を変えたんですね。

 

正直、最初の路線のままで行っていたらと考えるとぞっとします。

 

税理士さんの場合、いろいろな会社の決算をリアルタイムに近いレベルで見ているので、「あ、この業種危ないぞ」とか「この業種、今の景況感でもそんなに落ち込んでいないな」というのが肌感覚でわかるわけです。

 

こういう、「専門家は今の情報を生で体感している」というのを意識し、彼らから情報を引き出し、徹底的に活用していこうという姿勢が大切です。

 

プロのノウハウ、自分から引き出しに行かないともったいない

 

当然、受け身では情報を引き出すことはできませんし、経営をする上で出てくる様々な疑問も、専門家の知恵を活用しないというのは、もったいないです。

 

ここは自分の方から、いろいろと疑問点を聞いていくことが大切です。

 

もちろん、税理士さんはじめ、専門家の人たちは今めちゃくちゃ忙しいので、電話よりもメールやチャットワーク、Slackなど相手の負担が少ない方法で聞くのが望ましいといえます。

 

加えて、自分の方でも、休みなどを活用して、経営・経理に関する基本的な書籍を読んだりするとベターかなと。

 

また、大手の会社設立の代行会社・税理士法人などだと、自社サイトに加え、経営の参考になるオウンドメディアを有しています。また、会社・事務所によっては、ニュースレターやメールマガジンを発行して、情報提供をする会社もあります。

 

このようなニュースレター・メールマガジン・オウンドメディアが、非常に重要な情報源になります。ぜひこういう情報に関しては、時間を作って目を通しておくとよいでしょう。

 

専門家・プロの力を活用するために大切なポイントとは?

 

以上のことを踏まえて、専門家・プロの力を借りる上でのポイントをまとめてみましょう。

 

  • 最初、経営についておすすめの本やサイトを教えてもらったり、もし機会があれば、経営・会計の基礎的な部分をレクチャーしてもらう

やはり、会社を運営していくに当たって、ある程度の経理・会計の知識は必要です。一番良いのは、基本的な事を直接レクチャーしてもらうことですが、それが無理でも、「経理や会計の基本的な事を知っておきたいのですが、参考になる本やサイトなどはありますか?」など聞いておくとよいでしょう。

 

  • できるだけ普段の疑問をこまめにメモする

会社を経営していると、税務・会計・法務・その他いろいろな疑問が出てくるときがあると思います。ふと疑問が浮かんだら、ぜひ手元の手帳やスマホなりにメモし、ある程度疑問点がたまったら、先方にまとめて聞いてみるとよいかと思います。(もちろん、急ぎの事項は遠慮なく電話で確認を!)

 

この、小さな疑問を記録し、後で確認するというクセ付けは、他の業務でも活きてきますので、習慣化すると望ましいと思います。

 

また、こういう習慣は会社を設立する前も大切です。会社設立の代行業者・専門家などは、どんな疑問でも親身になって答えてくれるケースがほとんどですので、「こんなこと聞いて勉強不足とか変に思われないかな・・・」などと心配する必要はありません。

 

むしろ、最初にいろいろと不明点を聞いておくことで、後で「こんなはずじゃなかった・・・」がなくなります。

 

ぜひ、積極的に専門家・プロの力を活用していきましょう。

 

 

 

会社設立手続きをお願いして感じた雑感・今しみじみと感じるメリットを書いてみる

こんにちは、さいもーです。

 

今の状況、いろいろ大変ですよね・・・・。

 

ただ、「こういう大変な時期に、(今回は安全衛生に配慮するという観点も必要ですが)経営をはじめて軌道に乗せた人は強い」という話を聞きます。

 

なぜなら、

  • 事業計画にしても、資金計画にしても、徹底して手堅く立案する
  • 好不況の波を受けにくいビジネス領域を探るため、好況時のように「好況・資金調達が楽」ということを前提にしたビジネスではないため、景況変動があっても、影響を抑えることができる

という点があるからです。

 

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今回、手続きをお願いした雑感というメインテーマなのですが、こういう状況になって、改めて最初のうちから専門家にお願いしておいて良かったなと感じました。

 

具体的なところも含め、お願いした雑感と、今になって感じるメリットをいろいろまとめてみたいと思います。

 

専門家に一任でき、想定外のスピードで会社設立が進んだ

これはある意味当たり前の事なのですが、仕事に関することをしっかりと話して方向性を決めれば、あとは専門家の言われるとおりに署名・捺印・書類集めをすることで手続きがトントンと進んでいきます。

 

会社設立時は特に熱意が高まっていますので、熱が冷めないうちにスピード感を持って続きが進むというのは大きいといえます。

 

一から調べる必要がない

起業においては、まさに「時は金なり」なのですが、会社設立を行うためには様々な手続きを行わないといけません。

 

しかし、一から自分で調べようとしたり、友人に聞こうとしたりで「自分のまわりだけでなんとかしよう」とすると、どんどん時間ばかりが過ぎていきます。

 

皆さんも経験がありませんか?

 

いろいろ調べ物をしようとしたら、関係ない情報に目が行って、知らないうちに時間が過ぎていた・・・。そして時間はかかったけど結論はでないという不毛な時間。

 

こと、自分で何でもやろうとすると、「労多くして益なし」という状態に陥りがちです。

 

何にも進んでいないのに、何か成し遂げたかのような「疑似満足病」にかかるな

自分で会社設立をしようとして、いろいろ苦労して会社を自分で作った。

 

このことが、将来のお客様や周囲のステークスホルダー、そして自分自身にとって、何のメリットがあるのか、冷静に考えてみてください。

 

確かに「自分で会社を設立したぞ!」という満足感はあります。しかし、実利として得られる点というのが、労力に比して少ないです。

 

多少の金額の節約(むしろ、節約にならない場合もある)をしたつもりになってしまい満足し、実際自分の時給という観点で考えると、時給数百円にもならない労働をしているようなものです。

 

例えば、あなたの部下2人が、一人は120キロ離れた先のクライアントから30万円の契約を3日3晩しっかり営業をかけて取ってきた、もう一人はメールで1時間ちょっとの時間で30万円の契約をサクッと取ってきた。

 

あなたが経営者ならどちらを評価するでしょうか?

 

前者は苦労や移動コストなどかけ、「頑張りました」感はあるかもしれませんが、成果は後者のサクッと30万と全く一緒なのです。

 

それに加え、前者のように、(必要以上に不要な)努力・(ピントの外れた)根性で契約を取ることをよしとする人間が上に立つと、「営業は努力・気合い・根性・誠意だ」など、精神論を部下に押しつけ、非効率な営業をしかねません。

 

多くの場合、部下はトップの姿を見て育ちます。

 

トップが非効率に、何でも自分で、効率無視を繰り返していると、部下も同じように育ち、「努力しているポーズだけは上手な部下」になってしまう可能性があります。

 

その点、専門家にお任せすると、こちらが「○○をしたいんです」と依頼すると、驚くべきスピードで仕上げてくれます。

 

専門家に依頼し、すぐできるということを体感することで、会社設立初期からに「人に依頼する」ということが自然と身につくわけです。

 

専門家は軌道修正のプロでもあり、いけないことはいけないときちんと指摘してくれる存在である

大人になると、仕事で叱られる・指摘されることというのは減ります。

しかし、会社を設立・運営する上で、専門家の力を借りると「この方法は不適切な恐れがあります」「望ましいとはいえません」時には「それは違法なのでできかねます」など、問題点があればやんわりと注意、時にやり方の修正を求められることもあります。

 

というのは、会社設立の専門家は、それぞれ「○○士」という看板を背負っており、もし違法、もしくはグレーな行為に加担してはならないという職務倫理を持って業務に携わっているからです。

 

専門家としての看板を背負っているからこそ、「駄目なことはダメ」とはっきり言ってくれる存在がいるというのは大きいのです。

 

様々な専門家・プロの力を頼るときに、これまでの経緯や事情がスムースに伝わるというメリット

 

専門家・会社設立の代行業者に依頼した場合、彼らは会社の設立から全てのプロセスを理解してくれています。

 

そうすると、他の事業者、社会保険労務士や司法書士、行政書士だけでなく、例えば弁護士・弁理士・不動産鑑定士など、初期のころはお世話になる可能性が低い専門家に対しても、事前に伝えるべき事を伝えた上で繋いでくれます。

 

このことで、自社の説明や現況、背景などが相手側にスムースに伝わってくれます。

 

このように、会社設立を行ってもらうことの負担軽減も大きかったですが、その後の事も含めてプラスになったと、個人的には思っています。