会社の資本金の目安って?

フリーランスをしていて、会社設立を考える人の相談にのると、「資本金はいくら用意すればいいの?」という疑問を持つ人が意外と多いです。

 

 結論からいうと、資本金は特にこだわりがなければ300万円(以前有限会社というのがあり、その設立下限)、また、会社で許認可などが必要な業種の場合は、それに合わせて(建設業なら500万円など)くださいというのが教科書的な回答です。

 

小売・製造などIT以外のビジネスを手がける先輩経営者などに聞いても、「資本金数十万というのは微妙だし、ましてや資本金数万かというのは、どうかと思うよね」という意見でした。

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会社の資本金、ほんとはいくら用意すればいいの?

ただ、資本金として現金にて300万円を出せるかというと、人によっては難しいケースもあるかもしれません。

 

その場合に取りうる手段として、

  • 数十万円・百万円などの資本金で割り切ってスタート
  • 車やパソコンなど「物で出資する」現物出資という手法を使い、現金の出資は数十万円でも、登記される資本金は数百万円(現物出資は500万円までOK)ということにしておく

 

という方法があります。

 

少額の資本金で割り切るという考えは、ITの中の一部業種など、設備投資がさほど必要でない業種で活用できます。

 

ITの場合は、相手に資本があるかというのは、気にする会社もあれば、ちゃんと仕事を仕上げてくれれば気にしない、という会社もあり、本当にケースバイケースです。

 

伝統的なビジネスと違い、「資本金が少ないから取引NG」という会社はそこまで多くありません。(ただ、資本金を気にする会社もあるので注意)

 

例えば、元々自分が個人事業主・フリーランスで、株式会社でない形態でも仕事を受注できていれば、資本金うんぬんはさほど関係ないでしょう。

 

既に取引実績や信頼ができているわけですから。

 

逆に、脱サラなどでゼロから会社設立という形になると、実績以外の方法で信用を担保する必要があり、その一つが「資本金の大きさ」と言えます。

 

資本金の現金が心許ない場合でも、「現物出資」という方法がある

出せる資本金が限られるが、土地家屋などの不動産、車や機械などの有形物、Webサイト・ソフトウェアなどの無形物を「現物出資」という形で出資することで、資本金を手厚くすることができます。

 

ただ、注意点としては、

  • 500万円を超えると裁判所の検査役などの厳格な調査が必要になり、費用もかかるので、現物出資は500万円未満がおすすめ
  • 現物出資を伴う場合は、価格の適正な査定のために、税理士など専門家に相談することを強くお勧め

と言えます。

 

現物出資は、所有物の名義が自分から会社に移転することになりますので、名目上は自分のものではなくなります。

 

ただ、自身が100%株主の会社などであれば、形式上名義が換わっただけで、実質としては自分のものであるということに変わりはありません。

 

資本金は少なすぎても問題だが、多すぎると会社設立時の費用が増える・税制優遇などがなくなるパターンも

資本金に関しては、少ない(数万円~数十万円)だと、信用を得にくいですが、逆に資本金がそれぞれ1,000万円、1億円を超える額だと、中小企業向けの優遇措置の対象外になったり、法人税が変更になります。

 

また、会社設立時は、登録免許税を国に納付しますが、株式会社の場合、最低15万円、合同会社の場合最低6万円納める必要があります。

 

登録免許税は、資本金額×0.7%で計算されます。

 

株式会社の場合、2,143万円以上だと上記の最低資本金を超え、合同会社だと、860万円以上で最低資本金を超えることになります。

 

このように、資本金が大きいことは信頼をプラスする証になりますが、一方で税金負担などが増えるということも念頭に置いておくことが重要です。

 

 

 

 

 

 

会社経営で気になる、補助金と助成金の違いって何?

会社を経営していると、経営者仲間や業者、税理士・社会保険労務士などから、「こういう補助金・助成金がありますよ」という話を聞くことがあります。

 

この補助金と助成金、どちらもおおもとは国から受けられるものですが、様々な面で補助金と助成金は異なります。

 

補助金と助成金の違いを考えていきましょう。

 

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補助金とはそもそも何?

補助金は、「機械に投資する」とか、現在であれば新型コロナ対策でアクリルパーディションを用意するなど、設備投資に対して活用します。

 

お金の出所は税金で、予算には上限や採択数の限りがあるケースが多く、財源や採択数を超えると、終了したり、内容の良い物から採択されていきます。

 

また、補助金の全体的な特徴として、募集期間が短い物が多いです。

 

2,3週間から長くても2ヶ月などで、1年に1回から複数回募集されます。

 

そのため、募集のタイミングをよく見ておかないと、「気がついたら既に今期の募集は終了していた・・・」というケースは案外あるものです。

 

また、補助金を申請する場合、担当窓口とのしっかりした打ち合わせが必要になる補助金も少なくありません。

 

採択期間前や採択期間の最中に申請窓口を予約、チェックをしてもらい、その後採択期間の間に提出する必要があります。

 

補助金は書類も複雑なため、採択期間の間だけで書類を用意するということは、非常に難しいです。

 

ITサポート補助金など、取得がしやすい補助金もありますが、額が大きい補助金ほど、基本的には難易度が高い物と思った方がよいでしょう。

 

また、特に補助金を申請する場合には、「自社としての事業計画の策定」が前提となるケースが多いです。

 

補助金は、「特定の事業を行いたい、その上で、こういう補助が必要、当社にはこのようなビジョンがある」という理由付けがかかせません。

 

補助金の原資は税金ですので、出したお金が本来の事業と違うところに使われたり、社会をよくするための方向と違うところに使われることがあってはなりません。

 

そのため、補助金を策定する上では、経営者自身やスタッフ・専門家を交えた事業のあり方の検討や、税理士・中小企業診断士・行政書士など書類作成のプロの助力が必要になります。

 

助成金とはそもそも何?

それでは、助成金とはどのようなものでしょうか。

 

シンプルにいうと、私たちが支払っている雇用保険を財源として、「人に対する投資」に対して支払われる助成です。

 

補助金とは違い、一年中募集しているタイプの物が多く、要件に当てはまっていれば基本的にはもらえる一方、「お金の使い道」に関してはしっかりと調査がされます。

 

たまに新聞や厚生労働省支局のページで○○助成金に関する処分という記事が出ることがありますが、基本的には虚偽申請や、もらったお金を違ったことに使うなどよほどのことがある場合です。

 

基本的には、厚生労働省が指定する要件に当てはまれば申請し、支給を受けることが可能ですし、条件さえ合えば何度でも申請することが可能です。

 

また、補助金に比べ助成金は申請の難易度が低いものが多く、経営者・事業主やスタッフが自分で行けば申請できてしまうものもあります。

 

ただ、実際の所は結構な手間がかかったり、社内体制の整備などができていないと行けないので、「社内体制の整備(労働規約・労使協定等の作成、各種手続きがなされているかの確認」等を社会保険労務士に依頼し、あわせて各種補助金の申請を社会保険労務士に依頼するという形がスムースかもしれません。

 

具体的には、

  • 週20時以上働くスタッフへの雇用保険の加入義務
  • 法人の場合や個人事業で一定人数を雇用している場合、社会保険の加入
  • 従業員を10人以上雇用している場合は、就業規則を作成

という点は必須になるでしょう。

 

補助金・助成金に関しては、経営者が関わるよりも、専任担当者を付け・専門家へ依頼するようにしていくことが、結果として経営者の負担も減るためおすすめです。

 

 

 

 

 

会社同士で共同開発を行う際の注意点

会社が軌道に乗ってくると、「うちの会社と一緒に○○しませんか?」とお誘いが来ることがあるかもしれません。

 

相手はスモールビジネスかもしれないし、著名なベンチャーかもしれない、もしくは大企業かもしれない。

 

どういう場合であっても、会社同士で共同開発を行う場合は、情報や内容等に関する注意・配慮・契約などが必要です。

 

今回は共同開発について触れていきましょう。

 

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共同開発におけるmustの3点

共同開発を行うということにおいては、ぜひ留意したい3つのポイントがあります。

 

  1. 秘密保持契約(NDA)を締結する
  2. 相手から契約書を差し入れられた場合は、弁護士にチェックをお願いする
  3. 共同開発で何を行うかを具体的に定義する

 

以上の3点は、特に留意すべきポイントと言えます。

 

特に、秘密保持契約の締結に関しては、ぜひ最初のところで、弁護士などの専門家も交え、NDAを作成した方が良いでしょう。(市販のひな形でもないよりは良いですが・・)

 

いくら気心の知れた事業者であっても、会社としては別の会社であり、「機密保持」という一線はしっかりと引く必要があります。

 

また、雑談でちょっと話したアイデアが、共同開発を行う会社や、共同開発を行う会社と通じた会社に流れてしまい、自社はアイデア・ノウハウなどを抜かれただけで用済み・・となってしまっては悲惨です。

 

そのため、秘密保持契約(NDA)はきちんと契約するようにしましょう。

 

相手(特に大企業)から出された契約書には注意する

契約の常として、「契約書を作る側が、自社に圧倒的に有利な契約書を作る」ということがあります。

 

特に大企業の場合は法務部門がしっかりしていますので、あらゆる角度で、自社に有利になるよう契約書を作り込んできます。

 

大企業が協業したいと言ってきているわけだから、そんな変な契約書ではない、という先入観を持ってはいけません。

 

あくまで弁護士などの専門家に契約書のチェックを受け、どの点にどういうリスクがあるかを判定してもらうことが重要です。

 

また、契約書の内容というのは、相手の差し出した内容をそのまま受け入れる物ではありません。

 

もし、リーガルチェックを経て、契約書として自社に不利な条項があれば、「ここはこう直して欲しい」など、「弁護士からこういう指摘を受けた」という文言を踏まえ、契約書の変更を提案した方がよいでしょう。

 

共同開発で何を行うかを具体的に定義する

ただ、「何かを一緒にやろう」というのは、企業同士の共同開発としてあまりにも曖昧です。

 

  • 共同開発は何を目的として行うのか
  • 業務の分担はどうするか
  • 費用負担はどのように負うか
  • 共同開発にそれぞれが自社のリソースをどれだけ割くか
  • 共同開発のゴールをどう設定するか
  • 共同開発を中止する場合やその際の費用負担・損害負担はどうするか

など、企業同士の共同開発においては、様々な事項を「契約書」という形で明確に定義しておくことが求められます。

 

この契約書に関しても、ぜひ弁護士に依頼し、精度の高い契約書を作成するよう心がけた方がよいでしょう。

 

共同開発となると、自社だけでなく相手方もいることから、なんとなく責任の所在が曖昧になったり、共同開発の目的が不明確だったり、お互いの役割分担が曖昧だったり等、全て自分で行うときとは違い、物事がなあなあになる可能性もあります。

 

逆に大企業やメガベンチャー相手の場合は、自社が完全に主従における従の立場になり、決定権を大企業・メガベンチャーが主導し、自社は下請的な立場になってしまうことも、可能性としてないわけではありません。

 

このように、共同開発を行う際も、他社と行うことだからこそ、最初の時点で様々なことを明確に定義しスタートすることが重要と言えましょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

会社の資金調達、融資と出資、どちらがいい?

会社の資金調達方法としてメジャーなのは、金融機関から融資を受ける方法と、第三者などから出資をしてもらう方法です。

 

両方の特徴・メリット等を解説します。

 

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融資と出資の端的な違い

融資と出資の違いを端的に述べると、

  • 返済の必要があるか
  • 負債とみなされるか否か(会計上の扱い)
  • 出資を受けることで、創業者の決定権が他者に拘束される可能性もある

という点でしょう。

 

会計上の観点に関しては、ここでは触れずに、融資の返済・出資に関して書いていきます。

 

融資は返済の必要があり、経営者などの連帯保証が必要になるケースも

 

融資に関していると、借入ですので、返済義務があるのは当然です。

 

また、代表取締役や役員、実質経営者などが、借入の際に連帯保証をしたり、担保を差し入れることを要求されることがあります。

 

数年前より、経営者保証に関するガイドラインというのが策定されており、その中で資本と経営の分離がされていれば、代表取締役などを連帯保証から外すという動きもあります。

 

ただしこれは、弁護士・税理士など経営者保証ガイドラインに通じた専門家と連携しながら進める必要がありますので、創業当初の資金調達では、経営者の連帯保証のない融資というのは少し難しいかもしれません。

 

また、当然返済ができなくなると、金融機関が債権回収のフェーズに入り、返済できない場合は会社の民事再生や破産、代表者が連帯保証をしており返せない場合は連帯保証人の自己破産なども視野に入ります。

 

このように、当たり前のことですが、返済できなかったときのリスクがあることは心得ておいた方が良いでしょう。

 

また、当然ですが、借入に伴う利子の支払いの必要性もあります。

 

加えて、金銭消費貸借証書に記載されている期限の利益喪失事項(これに当てはまったら、すぐに全額返済してもらいますよ、という事項)に該当する場合は、即刻返済を行わざるを得ず、もし返済が不可能な場合は、経営破綻に直結する事態になる可能性もあります。

出資は返済リスクこそないが、経営権の一部を他者に渡すことになる

出資は借入と異なり、毎月継続して返済するなどの必要はない反面、会社の「株式」を出資者に渡すことになります。

 

現在の会社の株式を渡す、将来の株式の予約権(新株予約権)を渡すなどの方法がありますが、いずれにしても創業者の持株の比率は希薄になりますので、創業者の決定権は弱まることになります。

 

特に、創業者の持株比率が

  • 3分の2を下回ると、単独での特別決議に必要な議決権がなくなる
  • 過半数を下回ると、普通決議に必要な議決権がなくなる
  • 3分の1を下回ると、特別決議を拒否するために必要な議決権がなくなる

とされており、特に、創業者・仲間の持株比率が3分の2以上、過半数以上であるかというのは、決定権を大きく分ける分水嶺となります。

 

できるだけ3分の2の株式は、創業者自身や会社のボードメンバーで有しておくことが重要ですし、株式の過半数に関しては、経営の独立性を保つための非常に重要なラインになります。

 

そのため、持株比率3分の2~過半数は、経営の決定権を持つためにも、守り抜くようにした方がいいと言えましょう。

 

結局、会社の資金調達、融資と出資、どちらがいい?

ここまで書いてきてなんですが、結論はケースバイケース、というところです。

 

あくまで堅実なビジネスとして100%株式を自分で持ち、オーナーとしてやって行きたい場合は、融資を活用するべきですし、逆にベンチャーなど社会的に大きな変革を行う事業の場合は、第三者・ベンチャーキャピタルから出資を受けると共に、VCや出資者と二人三脚でやって行く必要があるでしょう。

 

ベンチャーキャピタルも、慈善事業で出資を行っているわけではありません。

成長の可能性がある企業でないと、出資を受けることは難しいでしょう。

 

また、ベンチャーキャピタルと契約するときは、出資にかかるガチガチの契約書を締結するケースがほとんどと思いますので、契約条項や、相手が何年くらいでのEXITを想定しているかなどを考え、覚悟を決めて出資の受諾をすることが必要でしょう

 

 

 

 

 

 

会社設立後の法的なトラブルを防ぐ基本的な考え方

会社経営というと、いろいろな落とし穴があります。

 

成長途上の場合はともかく、ある程度実績が出始めると、いろいろな方面から声がかかったり、つながりができはじめます。

 

これが問題のないつながりであればいいのですが、万一相手が反社会的勢力など問題のある人や、関係がある会社であったりすると、様々な意味でトラブルになることがあります。

 

また、業務の契約に関する契約書上のトラブルや、契約書を結ばなかったことによるトラブルなど、法的トラブルというのはけして軽視できる物ではありません。

 

法的トラブルを防ぐ上で重要な考え方をシンプルにまとめます。

 

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法的トラブルを会社設立初期から防ぐシンプルな4つのルール

法的トラブルと言っても、契約上の問題、訴訟を受けた、損害を与えられた、反社会的勢力と関与してしまったなど様々なケースがあるかと思います。

 

トラブルの形は複数ですが、基本としては、

  • 契約は口約束にしない。契約書は熟読して納得してから印鑑を押す
  • うまい話はない
  • 違和感を感じたら、弁護士など法律専門家に相談する
  • 関わる相手を限定する

という4つの点に気を配ることが基本かと思います。

 

契約は口約束にしない。契約書は熟読して納得してから印鑑を押す

創業初期にありがちなのが、仕事の約束を口約束で行ってしまうこと。少額の取引であれば、メールなどでも問題はないですが、長期・金額の大きい取引であれば契約書を作成することが大切です。

 

また、相手方から契約書を差し入れられた場合、契約内容はまず間違いなく、「相手方にとって有利な内容」になっています。

 

特に重要な契約の場合は、弁護士のリーガルチェックを入れるなどした方が良いでしょう。

 

うまい話はない

あまりにも当たり前すぎる話ですが、自分の会社の経営がいまいち、と言うときにおいしい案件が来ると、飛びつきたくなるかもしれません。

 

特に、現状がうまく行っていないと、判断能力が鈍り、一発逆転的な話や、荒唐無稽な話に騙されてしまう可能性もあり得ます。

 

話が理想的であればあるほど、「なぜこのクライアント(人)は、この話を持ってきたのか?」を冷静に考え、時には友人や弁護士などにセカンドオピニオンを得る必要があると言えます。

 

違和感を感じたら、弁護士など法律専門家等に相談する

法務・税務・労務などバックオフィス周りに限らず、「あれ、大丈夫か?」と感じたら、専門家に相談することです。

 

法務であれば弁護士、税務であれば税理士、労務であれば、社会保険労務士というふうに。

 

多くの会社は税理士・社会保険労務士とは顧問契約を結んでいるとは思いますが、法務に関しても、スポット相談で都度報酬を支払い質問したり、顧問契約を締結するなどして、「疑問に思うことを相談できる環境」を作った方が良いと言えます。

 

関わる相手を限定する

人脈・人脈と関わる人を広げようとすると、反社会的勢力や詐欺まがいの行為を行う人物などと関わってしまう可能性もゼロではありません。

 

特に、詐欺師ほど外面はいいですので、油断していると取り込まれてしまう恐れもあります。

 

加えて、華美な生活をSNSで見せびらかしているタイプの人は、特に注意した方が良いでしょう。

 

そういう人と関わりがあるだけでも良識を疑われる恐れがありますし、自信も「インスタでセレブ生活を見せびらかしたり、それに憧れるグループ」と思われる可能性もあります。

 

屏風を広げすぎると倒れるのと同じで、人脈も変に広げるのではなく、自社の強みを磨き、その強みを正当に評価してくれる、まっとうな人・法人と関わっていった方が良いと言えます。

 

また、人脈の広い人に限って、マルチまがい商法・投資など社会的評価の分かれるビジネスに関わっているケースもありうるものです。

 

実際、元有名企業の社長・役員であったという人であっても、ごく一部ではありますが、マルチなどに関わっている、もしくはその噂があるケースもあります。

 

自分自身が不当な誤解を受けないためにも、交友に関してはきちんと考えて行った方がよいでしょう。

 

 

 

 

 

法人と個人事業の信用度の違いを考えてみた

よく、法人と個人事業は信用度に違いがあると言われます。

 

当然、会社としても、一個人事業主と取引するより、法人と取引した方が信頼性が高いというのは想像が付きます。

 

でもその理由を具体的に説明せよと言われると、多くの人が「うーん」となると思います。

 

そこで、法人と個人事業の信用度が違う理由を考察してみましょう。

 

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会社はあらゆるデータがクリアであるという事実

個人事業と比べて、会社の場合は、様々なデータが公開されています。

 

「資本金」「登記簿に役員・法人の所在地の記載」「(株式会社に限られるが年1度の決算書の公告義務」「個人事業と違い、所有と経営が分離されている」など、様々なデータが公に公開されています。

 

また経営と個人が概念上は分離されているため、個人は個人、会社は会社と明確な分離が行われています。

 

事業の永続性や許認可の継承も、法人の方が有利

加えて、事業の永続性や免許(許認可)という点でも、法人の方が有利と言えます。

 

まず、免許(許認可)という点では、個人事業の場合、代表者に対して免許が与えられるものの、代表者が亡くなるなど万一の事があれば、再度許認可を取得する必要があります。

 

一方法人であれば、許認可が法人に対して与えられているため、許認可の引き継ぎは個人のケースより容易になります。

 

事業の永続性という点でも、個人事業の場合は経営者=個人という側面が極めて強いですが、法人の場合は必ずしも経営者=事業の株式の所有者ではない、「経営と資本の分離」が実現されていますので、全く資本を有していない人物が経営に代表取締役として経営に参画するなどあっても問題はありません。

 

資本(株式)を有していても、仕事がある程度軌道に乗り、創業者の自分がいなくても大丈夫、とわかれば、有能な人物を経営に参画させ、自身はファウンダー・株主として存在し、事業には最小限しか関与しない、ということもできるのです。

 

融資を受ける際にも、法人が有利

日本政策金融公庫・金融機関から融資を受ける場合も、法人が有利です。

 

なぜなら、上記で述べたとおり、会社が登記されているという公的な証明があり、元々社会的信用力があるからです。

 

また、融資を申請する際も、元々会社の決算書類は複式簿記で作成されていますので、金融機関側としても、資料として信用しやすくなります。

 

法人の場合、ハードルは高いが、代表者が借入の連帯保証人にならなくて良いケースも出てきている

 

これまでは融資を受ける際に、代表取締役や実質的経営者が連帯保証人となることを求められるケースが多かったですが、「経営者保証に関するガイドライン」という指針ができ、「法人の借入に対する経営者の連帯保証は外していこう」という方針が明確になりました。

 

そのため、お金を借りる際も、個人事業だと当然自分の名義で借り入れするしかありませんが、法人だと、法人の名義、しかも代表者の個人保証がないケースで借りられる可能性もあります。(ただ、あくまで可能性であり、従来と同様、個人保証を求められる可能性もあることは承知しておいて下さい)

 

いずれにせよ、以前に比べ、金融庁など公的機関も「個人保証によらない融資」を求めており、今後も個人保証を減らしていく、という流れは強まっていくのではないかと思います。

 

このように、法人は信用度の高さだけでなく、制度上、経営者に対し有利になる仕組みも作られています。

 

ただ、このような制度に関する情報を、経営者個人が仕事をしながら集めていくことは、非常に大変です。

 

会社設立を専門とする事業者や、税理士・社会保険労務士・弁護士など、複雑な制度に精通したブレーンの力を借りることで、あらゆる制度を活用した、効率的な経営を実現することができるでしょう。

 

(参考書籍:らくらく個人事業と株式会社 「どっちがトク?」がすべてわかる本)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

法人と個人事業、どちらが節税になる?個人事業を法人にした方がいいケース。法人のメリットは?

前回での記事は、法人と個人事業の違いなどを書きました。

 

法人と個人事業の違いというのはよく聞かれます。

 

よくある質問の一つとして、「会社を法人にすることで、節税になるって聞くけど、具体的にはどういうことなの?」という事項があります。

 

確かに、個人事業である程度売り上げが立ったら、法人化するといいということはよく聞かれます。

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一般論としては、所得が500万円を超えたら、法人化する方がお得

本当は、法人化一つにしても様々な条件があるので、「このときはこう」とストレートに言いにくい所があります。

 

一般論でいくと、売上から経費を引いた額にあたる「所得」が500万円を越えたら、法人化をした方がお得になってくると言えます。

 

所得500万円のケースだと、個人事業の場合、所得税・住民税・個人事業税などを計算すると、ざっくりと88万円近くの税金がかかると言われています。

 

一方会社だと、法人税の対象にはならず、法人住民税が70,000円、事業はゼロ、所得税・住民税なども含めると、おおよそ60万近くの税金になります。

 

ただ、これは社会保険料の負担などを計算に入れていないため、社会保険料負担も考えると、計算が変わってくることが想定できます。

(参考書籍:らくらく個人事業と株式会社 どっちがトク?がすべてわかる本)

 

さらに、所得が1,000万円を越えると、個人事業では約269万円の税金、法人では約189万円の税金と、所得が上がれば上がるほど、個人より法人の方が特になっていきます。

ここまでくると、社会保険料などの支払いも含めても、法人化の方が確実にお得なゾーンと言えます。

青色申告を行う際、繰越損失が長いのも法人のお得なポイント

会社を設立すると、信用や節税の面などに目が行きがちになりますが、意外と見落としやすい会社設立のメリットとして、「青色申告を行えば、会社の場合は9年間赤字を繰り越すことができる(その後の黒字は、これまでの赤字と相殺し、節税できる)」というメリットがあります。(個人事業で青色申告を行っている場合は3年間)

 

9年も赤字を繰り越すというケースって・・・、と考えそうになりますが、今現在のコロナ禍で、想定を大きな損失が発生している企業も多いですよね。

 

一旦金融機関より融資を受けて、手元の現預金を確保することはできても、2020年の新型コロナウイルスの影響により生じた損失を取り戻すには、売上を挙げていくことが前提になります。

 

その際、3年間までしか損失を繰り越せない個人の青色申告と、9年間損失を繰り越せる法人の青色申告と、どちらが有利かは一目瞭然ですよね。

 

このように、税率や信用以外にも、個人事業より会社がお得なケースも多いのです。

 

会社は生命保険料の一部・もしくは全額を損金にできるというメリットも

個人事業の場合、事業主自身が被保険者になる保険は、損金にならず税務上不利になります。

 

一方、会社の場合は保険料の一部もしくは全額を損金扱いにできるため、個人事業主として保険に加入するより、法人で加入した方が節税ができるようになります。

 

旅費交通費の出張日当も、法人なら経費にできるが、個人事業主は経費にできない

仕事をしていると(現在は新型コロナウイルスの影響もあり、なかなか出張というのも減りましたが・・・)出張日当を経費にできる法人は便利です。

 

個人事業主の場合は、旅費交通費として支払った実費額を必要経費とできる一方、出張日当などを支払った場合においては、必要経費とすることができません。

 

しかし、法人であれば、出張旅費規程を作成することで、規定した額を全額必要経費とする事ができます。

 

他にも、法人ならではの節税・お得になるポイントを挙げるときりがないですが、一定の所得になれば、法人化を行った方が、いろいろな意味で有利になると言えましょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

会社を設立するのと、個人事業とどちらがいいのと聞かれたので、個人的な印象を書いてみる

最近、会社勤めの友人や知人から、「フリーになるにしても、会社作る人と、作らないで個人でいろいろやっている人がいるよね。あの違いってなに?」

と聞かれました。

 

確かに、会社勤めでフリーランスや経営者になった経験がないと、なかなか会社設立するのと、個人事業のままで行くことの違いってわからないよな、と思うので、

 

  • 会社を設立するのと個人事業の違いって?

という部分に、何回か分けていろいろ触れていきたいと思います。

 

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会社設立と個人事業の違いのシンプルな雑感

まず、会社を設立する事と、個人事業を行うことの違いで大きな要素は、

  • 個人事業は書類一枚(開業届)+青色申告承認申請書を出せば始められる
  • 会社設立は、設立費用が30万円近くかかるし(株式会社の場合)非常に面倒な手続きがある

 

と言う点で、個人事業は意外と敷居が低く、逆に法人化(会社設立)は敷居が高いということが言えます。

 

このように楽に始められる個人事業なのですが、「社会的信用」や「世間の聞こえ」という点では、正直きついかな・・・、というのが率直な所です。

 

法人化すると、回りの聞こえが全然違う

 

極端な例ですが、個人事業をしている人が「フリーランスです」と言うのと、実質一人会社だけど法人の代表取締役をしている人が「○○株式会社の社長です」というのでは、全然聞こえが違ってきますよね。

 

会社設立は、設立手続きや会社ならではの税務など、ややこしいことをやる必要はありますが、その分社会的信用度も違います。

 

詳しい人なら、資本金や業態・規模を調べて「これはフリーランスに近いな」ということがわかるかもしれません。

 

しかし、意外と世間というのはイメージで判断しがちで、極端な人では「個人事業主・フリーランス」をフリーターと混同し、一方で会社の代表取締役であれば、「社長なのですごい」と思ってくる人もいます。

 

ある程度知識のあるサラリーマンでも、従事する分野によっては、こんなものだったりします。

 

0から始めるなら個人事業もいいけど、ある程度目処が立ったら法人化しよう

 

ただ、いきなり会社設立を薦めるかというと、必ずしもそうではありません。

 

「クライアントが法人でないと取引できないと言っている」など、既にルートが開拓できており、しかも相手が法人化を求めている場合でもない限りは、個人事業からのスタートが無難かと思います。

 

人によっては、「起業に対する覚悟を決めるために法人化すべきだ」みたいな話をする人もいますが、このへんは事業を興す人自身の自覚の問題ですし、「○○すべき」という強い論調に引っ張られても、あまり意味はないのでは、というのが率直な所です。

 

もちろん、ベンチャーキャピタルなどから出資を受けるなど、人様のお金を預かって行う場合は例外で、事業に対し本気で取り組むことは必要です。

 

でも、あくまで自分で0から始めますというケースでは、無理がないようにやって行くことが、長い目で見ると良いのではないかと思います。

 

もちろん、事業が拡大し、信用のさらなる構築や節税などの課題ができてくれば、その時点では会社設立を積極的に考えていく必要があるでしょう。

 

もし法人化か個人事業かで悩んでいるのであれば、まず仕事を取るところから始めてみよう

法人がいいか、個人事業がいいかという、ニワトリが先か、卵が先か的な事で悩んで時間を消費するのはもったいないです。

 

それよりも、とりあえず開業届だけでも出し、まず仕事を取ってくる、そういう「仕事を得る、そして仕事を完成させ、信頼を少しずつ積み重ねていく」部分にエネルギーを注いだ方が良いでしょう。

 

どんな仕事でも、まず自分で仕事を得て、実績を挙げることが次に繋がります。

 

いくら社長であっても、仕事がなければ「名ばかり社長」でしかありません。

 

まずは何でも仕事を得る、そこがスタートラインです。

 

法人と個人事業の違いの話になると、いくらでも話が出てくるので、今後も折を見て、触れていきますね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

会社の代表取締役の住所は、第三者でも簡単に調べられてしまう問題

こんにちは、さいもーです。

 

ご存じの方も多いとは思うのですが、代表取締役の住所というのは、第三者でも、法務局で数百円を支払い、登記簿を取得すると調べることができます。(以前はオンラインでも可能であったが、現在は一般向けのオンラインサービスでは表示されない仕様に)

 

個人情報にうるさい人なら、「住所という個人情報が第三者でも取れるなんてけしからん!」となりそうなのですが、昔からこういう仕組みになってしまっています・・・。

 

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なぜ会社の代表取締役の住所が、法務局で取得できてしまうのか?

法律上では、会社法で、代表取締役の氏名・住所を登記することが義務化されており、登記簿謄本(全部事項証明)を取得すると、第三者でも代表取締役の氏名・住所を調べられてしまいます。

 

これは本来、

  • 訴訟が提起された場合、会社の事務所がない(消滅)場合でも、代表取締役の住所に訴状を送付できるようにするため
  • 会社の計画倒産や詐欺被害で、民事・刑事での責任追及をするために、代表者の住所は必要

など、会社と取引をする第三者や、被害を受けた第三者の権利を守るために行われていることであります。

 

また、

  • 登記に関する手続きの書類が会社に送れなかった場合に自宅へ送付する
  • 登記を怠る、いわゆる登記懈怠の通知などを行う際に代表取締役の住所・氏名が必要

という事情もあります。

 

ほかにも登記事項証明書には、資本金や事業目的、役員の重任・退任などが書かれており、どれくらいの資本があるか、どんな事業を行っているか、役員の動きが頻繁ではないかなど調べられるようになっています。

 

ただ、起業をする側としては、「氏名+住所」という情報を、第三者でも閲覧できてしまうと言うのは、正直あまり気分のいいものではないですよね・・・。

 

ただ、当面は「こういう仕組みなんだ」と割り切って対応する必要があります。

 

意外と忘れがちな、代表取締役の氏名・住所変更の登記忘れに注意!

さきほど、代表取締役の氏名・住所は公開されていると書きましたが、結婚で姓が変わったり、事情で改名をしたり、引っ越しをした際には、2週間以内に法務局へ氏名もしくは住所の変更届を出す必要があります。

 

2週間を過ぎても、手続き自体はできますが、あまりに遅い場合などは、登記懈怠(とうきけたい)ということで、代表者個人に対して100万円以下の過料が課されることになっています。

(実態としては、数万円から10万円くらいが一般的なようで、いわゆる「前科」にはなりません)

 

住所の変更もですが、結婚により姓が変わった場合など、姓名が変更になった場合も、変更登記の手続きが必要ですので、司法書士に依頼するか、法務局で手続きを行う必要があります。

 

さすがに手続き忘れで、少なくない過料を科されるのはもったいないというのが正直なところです。手続き忘れがないよう、注意しましょう。

 

今後も、代表取締役の登記事項証明書への住所記載は変わらない方向?

一時期、プライバシーの関係等を考慮し、登記事項証明書でも、代表者の住所を確認できないようにするべきだ、という意見がありましたが、現状の所では、変更しないという方向性のままのようです。

 

プライバシーに極端にこだわる人であれば(有名人など)、セカンドハウスなど普段住まない所に住民票を置き、印鑑証明書でセカンドハウスの住所を示すというケースもあ想定し得ますが、居住実態が曖昧な場所を住所として届け出ることは、コンプライアンスの面で微妙と言えます。

 

また、アパート・マンションの場合は、当記事にマンション名・部屋番号を記載するかしないかは自由ですので、登記の際に、会社設立の代行業者さんや司法書士さんに確認した上で、部屋番号を登記しないことも可能です。

 

いずれにせよ、代表取締役の氏名・住所は、法務局で取得できるという事実は抑えておいた方がいいですし、これから会社を設立する人で気になることがある場合は、会社設立代行事業者、司法書士に相談するのが確実です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いろいろ話題のマイナンバー、会社設立にも使えるとアピールされているけれど・・・

こんにちは、さいもーです。

ちょっと前から、特別定額給付金の給付で、マイナンバーを活用した電子申請ができるという触れ込みでしたけど、フタを明けてみると、申請ミスや重複申請など、いろいろなトラブルが表面化していますね・・。

 

また、持続化給付金についても、オンライン申請だけという仕様にしたら、トラブル続出で、いろんなところで問題になっていますね。

 

今回、あまり良くない方向でマイナンバーが話題になりましたが、マイナンバーのシステム自体は、今後いろいろ拡充させ、幅広い方向に使えるようにしようとしているようです。

 

機能拡充の一つとして、「マイナンバーカードを取得していると、会社設立の流れを全てオンラインでできる」という方針が出ています。

 

しかし、現在のところは、マイナンバーカードで、会社設立「後」の手続きが、部分的にできる程度にとどまっています。

 

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今マイナンバーでできる、会社設立関係の手続きとは?

マイナンバーのポータルサイトにアクセスすると、

「法人設立ワンストップサービスを使うと、法人設立関連の全てをオンラインで行えます」という旨のメッセージが出てきます。

 

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しかし、画面に目立つ、「法人設立関連手続 かんたん問診・申請を押すと・・」

 

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いきなり、「法人番号を取得していますか?」というメッセージ。

 

これ、かんたん?とツッコみたくなりますが、「わからない」を押すと、

 

法人設立の手続を実施するには法人番号の取得が必要となります。

 

というメッセージが。

 

 

法人設立の手続きに法人番号が必要って何なんだよ・・・とツッコみたくなります。

 

 

結局、2020年6月時点では、法人の設立登記の手続きに関しては、これまでと同じように、専門家に依頼するなり、自分で公証人役場や法務局を回って手続きを行うしかないんですね。

 

法人設立後の手続きは税務・雇用関係の手続きはマイナンバーカードを使ってできるわけですが、なんというか、中途半端なモヤモヤ感・・・。

 

そして、現状マイナンバーで可能な手続きを見ても、「どの手続きをすればいいのかわからない」というのが正直なところです。

 

現状では、マイナンバーの法人設立ワンストップサービスではなく、専門家にまるごと依頼した方が早い

このように、マイナンバーの法人設立ワンストップサービスは、できること、わかりやすさの面で課題があります。

 

特別定額給付金では、マイナンバーを活用しても、その先が紙ベースで処理されるので、紙よりも役所側の手間が余計にかかるというケースが問題になりました。

 

マイナンバーでできる法人設立ワンストップサービスも、肝心な「法人設立そのもの」の手続きができません。

 

このように、現時点では、システムはあっても運用面で不十分な点が多くあり、「法人設立ワンストップサービス」が活用できるケースは限られる、というのが現状です。

 

首相官邸のページでは、法人設立ワンストップサービスについて

H32年度中に、登記手続も含め、全手続をワンストップで完了できるようにするべく、開発等を進める。

と記載されていますが、今のところは開発状況に関して明確な動きはなく、平成32年度、つまり令和2年度にシステムが整備されるかの目処は不明確です。

 

この現状に、さらに現在のコロナ渦ですので、ワンストップサービスがどこまで作り込めるかは、不明確と言えましょう。

 

また、会社設立後の手続き自体を見ても、「ある程度会社設立の知識がある人には使えるシステムかもしれないが、普通の社会人が、書籍やレクチャーなどなしに、このシステムを使って会社設立の後の手続きをするのは難しいのではないか」と思ってしまいます。

 

今後のシステムの整備に期待したいところですが、システムである程度自動化されても、資本金の問題や許認可の問題、その他手続きの問題はシステム上で指摘してくれません。

 

ワンストップサービスができても、当面は、専門家に依頼した方が確実ではないか、と正直思います・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

経営者の先輩から学んだ、「リモートワークが当たり前」という体制を作ることは重要という考え

こんにちは、さいもーです。

 

小綺麗なオフィス要らない論

 

先日経営者仲間(というか先輩たち)とZOOM飲みをしていたのですが、

コロナの後わかったけど、ちょっと規模が大きくなっても小規模コアオフィスとリモートワーク前提にした方がいいよ」、というアドバイスを受けました。

 

先輩は、渋谷の結構いい立地にこぎれいなオフィスを構えていたのですが、一連のコロナ騒動で、「あれ、いかにもベンチャーなオフィスいらないんじゃね?」ということを強く実感したそうです。

 

更に先輩は熱く語り続けます。

 

「実際、営業のコア的部分としては、営業拠点として最小限のオフィス機能を残した方がいいものの、オフィスを大きくしていくとコストがかかる。そして今回のコロナ渦で、オフィスが密になる状況はヤバいと思った、と。

 

だから、社長や一部の社員が必要な時に出社して、後はリモートでいいじゃん」と。

 

これまでベンチャー界隈だと、綺麗なオフィス、好立地、福利厚生などいろいろ大企業とは違う角度で良さを押し出していたけど、先輩が言うには、「綺麗なオフィスやキラキラ社員に惹かれて来る奴なんて要らねぇよ。ちょっと経歴が微妙でも、それより結果出すために、うちの考え方にフィットして、自走式でやれる奴の方が欲しい。そういうのだったら給料喜んで出したいしさ。」

 

と、かなり割り切った、ストレートな発言。

 

でも、本社は本社で拠点として残せとのアドバイス

ここまで、リモートワークの必要性を熱く語ってきた先輩ですが、その後、

だからといって、本社まで社長の自宅にはしない方がいい。人によるけどさ。あくまで本社機能として、最低限の事務所は、融資や信用、その他いろんな面で残した方がいいぞ。今なら、『コロナで本社機能を最小限に縮小しました』って言い訳が効くけど、あんまり縮小しすぎてレンタルオフィスやバーチャルオフィス、自宅なんかを本社にしてしまうと、『外から見ていて、大丈夫?』ってなる。

 

そこら辺は、会社設立の時にお世話になった人や税理士さんに、『融資とか信用面も含めて、大丈夫っすかねー』、って一応相談した方がいいにはいいけどな。」

 

 

酒が入っているせいか、先輩のマシンガントークは続きます。

 

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コスト削減だけじゃない、リモートで低コスト・かつ魅力ある人材の選択肢が広がる

「リモートワークって、確かに効率が悪い面もある。これまでだったら立ち話とかでいろいろコミュニケーションしたりできたろ?でも、今はそういうことがあまりしにくい空気になってる。それに、普通に一緒にオフィスで仕事してると、どんな実績出せない奴でも、情が移って、『こいつ仕事でバリュー出せてないから、いらないじゃん』ってなっちゃう。

 

でも、リモートワークなら、誰がどういう役目を果たしているのかがテキストベース・数値ベースで露骨に出るから、発言や数字を見て答えが出しやすくなる。

 

だから、『仕事をしているふりがうまい奴』というのが炙り出されるわけよ。」

 

先輩、辛口だなぁ・・・、と思いつつ、僕も「そうですねー」と相づちを打ちながら聞いていると、さらに先輩はヒートアップ。

 

「でさぁ、リモートワークって、地方の人材、特に結構いい大学出てるけど、旦那が転勤で子育て中、出産前まではバリバリやってきた子育てママさんみたいな人いるじゃん。

 

ああいう、潜在能力があるのに、地方という環境のせいで仕事が限られる人って、思いの他多いのよ。うちも子育て中のママさんや、シングルマザーの人に今試用期間中で働いてもらっているけど、2人とも、『田舎なので給料がある程度あって、スキルが活かせる仕事場がなかった』と言ってて、ともかく働けるのが嬉しいってさ。

 

下手な若手雇うより、こういう家庭の事情で・・・、って人をリモートワークで使えると強いよ。」

 

先輩の話はこの後も続きましたが、長くなるのでまた書きますね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

withコロナ時代の、会社設立と設立後のあり方

こんばんは、さいもーです。

 

新型コロナ、皆さんも聞き飽きましたよね・・・。

 

でも、タイミングや業態として、withコロナ時代に適した業態(IT)で起業できた事は良かったと思います。

 

withコロナの時代に、店内型飲食店をやったら茨の道だった

withコロナの時代ということで、飲食店なんかは、店も開けられなかったし、明けたらあけたで、顧客がソーシャルディスタンスを保てるようにしないと行けない、あるいはテイクアウトメニューなど、最小限の規模でやらざるを得なかったので、マジきつかったと思います。

 

(逆に、好立地に省スペースのテイクアウト専門店なら、まだ行ける余地はあるかも?」ということをと思いますが)

 

どちらにしても、withコロナの時代には、「人の接触や近接、会話を伴うビジネス」というのは当分厳しくなるでしょう。

 

前々から言っているとおり、リモート対応ができる専門家と付き合うべき

僕の場合、新型コロナの関係もあるので、ほぼフルリモートで会社設立をしたり、その後の手続きをお願いしたわけですが、弁護士さん、税理士さん、司法書士さんなどの専門業界って、今のコロナ状況下でも「いや、直接会う必要がありますから」という人、結構いるそうです。

 

業界の年齢自体も高いし、業界内の偉いさんたちが古い考えを持っていて、新しいものに対する抵抗も多いと。

 

だから、若くて(というか年齢問わず柔軟性があって)、今の新しい生活様式に対応できる専門家と付き合うべきなんですよね。

 

前も書いたかもしれませんが、ZOOMやSkype対応と、SlackかChatwork対応はマストだと思ってます。電話とFAX、メールでしか連絡できません、ではちょっと微妙です。

 

シンプルに考えて、わからないことがあるときに専門家に電話して返答を待つのと、Slackで、質問事項を端的に打って答えを返してもらうのとでは、電話の返事を待つ必要もないし、電話で思考が中断されることもないし、答えはテキストベースで返ってくるからメモをする必要もない、いろんな意味で合理的ですよね。

 

会社設立後は、筋肉質な会社作りを

会社設立をしたあとに求められるのは、無駄のない(事業の仕組み・人員)、筋肉質な会社作りだと思っています。

 

特にwithコロナの時代は、「できるだけ所有しない」「必要なものには投資するが、それ以外は最小限」など、投資の傾斜配分を考えていく必要があります。

 

逆に言うと、仕事に関わる部分(人・モノ)には徹底的に投資した方が良いわけです。

 

PC環境は、作業効率UPのために徹底的にこだわった

僕らのようなIT業種は、当然PCや通信環境、作業デスクや椅子は、お金をかけてなんぼです。

 

PC本体は、堅牢性のあるノートPCで、Corei7、メモリ16GB、SSD512GBと、まあまあのスペックのものを購入。

 

ただ、やはりノート環境とデスクトップ環境では、作業効率が全然違います。

 

なので、ディスプレイとして外付けの4K、31.5インチディスプレイ(これ以上大きいと持て余す)、キーボードは打ち心地が良いと言われるリアルフォース、マウスも人間工学に配慮したデザインと、できるだけ目線が下向きにならない環境を整えています。

 

その上で、デスクも幅170CMでぐらぐらしない堅牢性のあるもの、チェアも中古ですがスチールケースのジェスチャーチェアという、人間工学に配慮した椅子を購入。(普通に買うと、この類いの椅子は15万~20万ぐらいします・・・)

 

もちろん、回線も光回線のため、通信時のストレスはありません。

 

これだけでも、3,40万と結構な投資額になりますが、ともかく業務環境構築にはお金をかけるべきです。

 

 

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モノだけではなく、人・サービスにも投資せよ

話が大分ずれましたが、結論としては、「withコロナ」の時代を見据えて、必要なものに投資せよ!ということです。

 

人・サービスも同じで、特にサービスは、形に見えないものだからこそケチってはいけません。

 

旧友の弁護士がこう話していました。

「最近、友達だから負けてって言ってくる奴いるけど、大体お金ないんだよ。そいつらは、知恵に投資をするという発想が欠けてる。俺も知識を得るために、相当な時間と費用をつぎ込んでいるからな。そういう、『知識に対し、きちんと支出できる礼儀を持った人間か』ってのは、成功としょぼい人間を分けるな。」と。

 

作業環境や人への投資という考え、大切です。