会社経営で気になる、補助金と助成金の違いって何?

会社を経営していると、経営者仲間や業者、税理士・社会保険労務士などから、「こういう補助金・助成金がありますよ」という話を聞くことがあります。

 

この補助金と助成金、どちらもおおもとは国から受けられるものですが、様々な面で補助金と助成金は異なります。

 

補助金と助成金の違いを考えていきましょう。

 

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補助金とはそもそも何?

補助金は、「機械に投資する」とか、現在であれば新型コロナ対策でアクリルパーディションを用意するなど、設備投資に対して活用します。

 

お金の出所は税金で、予算には上限や採択数の限りがあるケースが多く、財源や採択数を超えると、終了したり、内容の良い物から採択されていきます。

 

また、補助金の全体的な特徴として、募集期間が短い物が多いです。

 

2,3週間から長くても2ヶ月などで、1年に1回から複数回募集されます。

 

そのため、募集のタイミングをよく見ておかないと、「気がついたら既に今期の募集は終了していた・・・」というケースは案外あるものです。

 

また、補助金を申請する場合、担当窓口とのしっかりした打ち合わせが必要になる補助金も少なくありません。

 

採択期間前や採択期間の最中に申請窓口を予約、チェックをしてもらい、その後採択期間の間に提出する必要があります。

 

補助金は書類も複雑なため、採択期間の間だけで書類を用意するということは、非常に難しいです。

 

ITサポート補助金など、取得がしやすい補助金もありますが、額が大きい補助金ほど、基本的には難易度が高い物と思った方がよいでしょう。

 

また、特に補助金を申請する場合には、「自社としての事業計画の策定」が前提となるケースが多いです。

 

補助金は、「特定の事業を行いたい、その上で、こういう補助が必要、当社にはこのようなビジョンがある」という理由付けがかかせません。

 

補助金の原資は税金ですので、出したお金が本来の事業と違うところに使われたり、社会をよくするための方向と違うところに使われることがあってはなりません。

 

そのため、補助金を策定する上では、経営者自身やスタッフ・専門家を交えた事業のあり方の検討や、税理士・中小企業診断士・行政書士など書類作成のプロの助力が必要になります。

 

助成金とはそもそも何?

それでは、助成金とはどのようなものでしょうか。

 

シンプルにいうと、私たちが支払っている雇用保険を財源として、「人に対する投資」に対して支払われる助成です。

 

補助金とは違い、一年中募集しているタイプの物が多く、要件に当てはまっていれば基本的にはもらえる一方、「お金の使い道」に関してはしっかりと調査がされます。

 

たまに新聞や厚生労働省支局のページで○○助成金に関する処分という記事が出ることがありますが、基本的には虚偽申請や、もらったお金を違ったことに使うなどよほどのことがある場合です。

 

基本的には、厚生労働省が指定する要件に当てはまれば申請し、支給を受けることが可能ですし、条件さえ合えば何度でも申請することが可能です。

 

また、補助金に比べ助成金は申請の難易度が低いものが多く、経営者・事業主やスタッフが自分で行けば申請できてしまうものもあります。

 

ただ、実際の所は結構な手間がかかったり、社内体制の整備などができていないと行けないので、「社内体制の整備(労働規約・労使協定等の作成、各種手続きがなされているかの確認」等を社会保険労務士に依頼し、あわせて各種補助金の申請を社会保険労務士に依頼するという形がスムースかもしれません。

 

具体的には、

  • 週20時以上働くスタッフへの雇用保険の加入義務
  • 法人の場合や個人事業で一定人数を雇用している場合、社会保険の加入
  • 従業員を10人以上雇用している場合は、就業規則を作成

という点は必須になるでしょう。

 

補助金・助成金に関しては、経営者が関わるよりも、専任担当者を付け・専門家へ依頼するようにしていくことが、結果として経営者の負担も減るためおすすめです。