大学生が起業するメリット・デメリット

総務省の「就業構造基本調査」によると、学生の間に起業したいと考えている人は多いものの、実際に行動に移している人は少ないことが明らかになっています。

それは、学生起業についての情報が限られていることも大きな要因であると考えられます。

 

そこで、大学生の間に起業するメリット・デメリットや起業するときの流れ、成功するためのアイデアや事例などについて、今回から3記事に分けて簡単に解説します。


起業する際の情報を少しでも多くお伝えできれば幸いです。

 

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大学生が起業するメリット

大学生が起業するメリットには次のものがあります。

  • 自由度が高い
  • リスクが少ない
  • 体力がある
  • ネットワークがある
  • 若いということ

 

自由度が高い

大学生は、さまざまな自由度が高いため、起業に際して次のような多くのメリットがあります。

  • 時間の自由
  • 知識の自由
  • 経験の自由
  • 空間の自由
  • お金の自由
  • 発想の自由

 

時間の自由

まず、大学生は社会人や高校生、主婦などに比べ、とても多くの自由な時間があります。

時間はお金と同じ位貴重なもので、起業に最も必要な「考える」「行動する」ということに使える時間が多いということは、とても大きなメリットです。

 

知識の自由

大学生は、起業に当たって知らないことが多いのは当然です。

しかしその分、知らないことを調べたり、知識を習得したり、資格を取ったりする時間や環境が整っています。

多くの社会人が「学生のうちにもっと勉強しておけばよかった」と切実に思っています。

 

経験の自由

大学生には、起業をしたいと思う事業について、ほとんど経験がありません。

そのため、起業に当たっては、アルバイトやインターンシップなどで、その経験を積むのがベストなのですが、大学生にはそれを行う自由があります。

生活費を稼いだり、家族の世話をしたりする必要がないため、ボランティアでも構いません。

やる気になれば何でもできる、そういう自由が大学生にはあります。

 

空間の自由

都会の学生が、農業やリゾートなど地方に関係する起業を考えているとき、逆に、地方の学生が、大都市での事業を検討しているとき、また、海外との取引や海外での起業を企画しているとき、春期や夏期の長い休みを利用して、実際に現地に行って情報を得るなど、さまざまな行動をすることができます。

これは、大学生ならではの大きなメリットであり、成功への近道でもあります。

 

お金の自由

起業にはお金がかかります。

大学生にその資金が潤沢にある訳ではありませんが、アルバイトをする自由な時間があります。

起業をしたい分野でアルバイトすれば、経験とお金の両方が一度に手に入ることになります。

 

発想の自由

大学生にはビジネス経験がありません。だからこそ、先入観のない自由な発想ができます。

Microsoftを創業したビル・ゲイツや、Facebookのマーク・ザッカーバーグも、その自由な発想が世界一の企業に成長する源泉となったのは言うまでもありません。

 

リスクが少ない

大学生は、親から生活費の面倒を見てもらっていることが多いので、利益が全く出なくても生活に困ることはないため、金銭面でのリスクが少なく済みます。

また、発生した利益を報酬として受け取らずに、全て事業に再投資することも可能です。

今後のことを考えて、利益を貯めておく(内部留保といいます)ことも学生のうちは必要ありません。

さらに、最終的に起業したビジネスが失敗してしまっても、新卒で就職してしまうこともできます。

こうして、リスクを恐れずに事業に立ち向かえるのはとても大きなメリットです。

 

体力がある

起業には体力が必要です。

実際に体を動かすビジネスではなく、パソコンでのプログラミングだけであっても、長時間に及ぶことになりますので、体力のある大学生の方が、断然メリットがあります。

また、体力があるということは、疲労の回復も早いので、それも大きな利点であるといえます。

 

多種多様なネットワークを作りやすい

大学生には、周囲に人がたくさんいます。
新たな友達や知り合いも作りやすいので、起業に当たっては、こうした人々がネットワークとして機能してくれます。

起業のアイデアの感想を聞いたり、事業のヒントをもらったり、試作品を実際に使ってもらったりすることが可能で、起業した後も、顧客になってもらうようにお願いしやすいなどのメリットがあります。

 

若いということ

大学生で起業すると、周囲の起業家や取引先は皆先輩ですから、どんなことでも教えを乞うことができます。

「こんなことも知らないのか」と相手が思うようなことでも、「若いから知らなくても仕方ない」と勝手に思ってくれることもあります。

ビジネスに失敗はつきものです。だからこそ、失敗することも恥をかくのも、若いうちにしておくことが有利になるのです。

 

 

大学生が起業するデメリット

大学生の起業にはメリットが多いですが、次のようなデメリットもあります。

  • 知識や経験が少ない
  • 学業との両立が難しい
  • 他の経験をする時間が減る

 

知識や経験が少ない

大学生が起業する際に、知識や経験が少ないのは当然ですが、すでにお伝えした通り、それらを得る時間や機会がたくさんあるにもかかわらず、それをしなかったことで、デメリットになるということです。

たとえば、基本的なビジネスマナーは、ネットや書籍などで簡単に学ぶことができますが、これを怠ると、顧客や取引先に対して失礼な言動をしてしまい、ビジネスがうまくいきません。
こうしたことについて、相手はいちいち指摘してくれないので、自分では気づかないことが多いのです。

また、知識や経験が少ないことで、不利な条件で契約をしてしまったり、知らずに法令違反をしていたりすることもあります。

 

学業との両立が難しい

起業をすると、仕事に集中せざるをえないのは当然ですが、仕事をしているのがとても楽しく、大学での勉強がとてもつまらないものに感じることがあります。

そのため、学業に身が入らず、単位の修得が疎かになり、結果的に休学や中退を選択する学生起業家が多いようです。

学歴だけで人を判断するのは良くないですが、人の判断基準はそれぞれなので、大学中退と聞いて、中途半端な人だなと感じる人が存在することも確かです。

 

他の経験をする時間が減る

大学生は、最も自由な時間がある期間でもあります。

友達や仲間との行動、趣味やサークル活動、海外など長期間の旅行、留学、免許や資格の取得、読書やボランティアなど、自分の幅が広がり大きく成長する経験を、起業をすることで制限されることになります。

何歳になっても、いつでもできることであっても、大学生の間にするからこそ得られる経験もあります。

 

 

大学生の起業についての1回目では、メリット・デメリットをご紹介しました。

次回は、起業が成功しやすい大学生の特徴や大学生で起業に成功した人の例をみていきたいと思います。