個人事業主が税務調査にあった体験談

個人事業主にも税務調査が入ります。

 

何も悪いことはしていないはずなのに、いきなり調査官が表れて、びっくりすることもあります。

 

そこで、この記事では個人事業主が税務調査にあった体験談についてお伝えします。

 

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個人事業主の税務調査体験談

個人事業主の税務調査について、その体験談を2名の方に語っていただきました。

 

建設業のMさん(当時41歳)の場合

仕事が終わって、家に帰ると、事務を任せている奥様が浮かない表情でMさんを待っていました。「税務署から連絡が来て、来月調査に行くので日程調整がしたい」とのこと。

 

思い当たる節がないMさんは、税務調査に関するネットの情報を確認する程度で、調査当日を迎えました。事務担当の奥様も同席です。

 

10時ちょうどに表れた若い調査官は、あいさつもそこそこに、メモを片手に質問を始めます。しかし、質問と言っても雑談に近い感じです。

 

「この辺は環境がいいですね」「何年前から住んでいますか」「自己所有ですか」「お子様は何人ですか」などの質問に答えていると、「これって確定申告書から全部わかる内容の質問では?」と疑問がわきました。どうやら、基本的なことでも、嘘をついていないか簡単に確認をしていたようです。

 

メモを取ってるように見えて、目線は室内をくまなく観察しているようで、ちょっとドキドキしました。しばらく目線が止まっていたのは、本棚でした。「税金対策」「上手な会計処理」などという書名に興味があるようで、会計で何か特別な操作をしているのかも?とでも思っているようでした。

 

だんだんと質問は、会計の具体的な内容に及び、何とか答えていると、「12時になりますので、1時間休憩をしましょう」と言って、外へ出ていきました。

 

午後は、領収書を一つずつ丹念にチェックしたり、決算書類を見たりして、16時過ぎに帰っていきました。

 

翌日も同様でしたが、人件費や外注労務費のことについてかなり詳しく調査され、パソコンに保存してある業務関係のファイルの中身まで確認されました。

2か月くらいして、特に問題はないとの連絡が来て、よくわからないまま終わったのですが、実は、3年ほど前から受注が急拡大した取引先があり、その会社で税務調査が入り、不正会計が発覚したとのことでした。

 

そのため、取引先にも調査をいれたものの、事務担当の奥様がかなり細かくExcelなどに、現場の状況から売上構成、経費の詳細に至るまで記載していたことで、整合性が証明されたようです

 

産業廃棄物収集運搬業のSさん(当時39歳)の場合

仕事の現場にいたSさんの携帯に税務署から電話があったのは、仲間と世間話をしているときでした。家に電話を掛けたが不在だったので、一緒に住んでいる弟から番号を聞いたようです。

 

その瞬間「税務調査だ!」と動揺してしまったのですが、とにかく、心象を少しでも良くするために、相手の希望する日程に何とか合わせました。

 

動揺したのは、仕事柄、主要な売上や仕入れはすべて現金で行い、面倒臭がりの性格もあって、帳簿をきちんとつけずに、毎年の確定申告は知り合いの税理士に適当に作ってもらっていたからです。

 

慌てて税理士に連絡をすると、とにかく会いましょうということになり、その足で会計事務所へ。

 

数年前から紹介で伸びた新規取引がかなり成功し、急に売上が増えていたのが引っ掛かったのかも、と言われましたが、何か操作などをした覚えはないので、とにかく帳簿を作成しようということになりました。

 

実は、税理士には簡単な帳簿はつけている、と嘘をついていたので、最初からの作成は大変でした。

 

売上については、納入先の処理業者に話をしてもらい、伝票を見せてもらうことになりました。できれば3年分あった方がいいと言われ、とにかく頼み込んで内容を写させてもらいました。

 

すると、申告したよりもはるかに多くの売上があったことがわかり、調査に入られる前に、修正申告を行いました。

 

調査当日、目つきの鋭い2名の調査官が来ていろいろと質問されましたが、税理士に立ち会ってもらえたこともあり、現状を正直に話すと、一応残っている領収書や請求書などを確認されましたが、パソコンも持っていないため、あまり調査する内容もないのか、2日で調査は終わりました。

 

修正申告が効いたようで、特に問題はなかったとのことでした。それからは税理士にもお願いして、きちんと帳簿をつけるようにしています

 

今回は、個人事業主が税務調査にあった体験談をご紹介しました。

自分が何も悪いことをしていなくても取引先の関係などでも調査対象となるようです。

 

今日の記事がみなさまのお役に立てればうれしく思います。