青色申告と白色申告の概要とそれらの違い、メリット・デメリットを解説

確定申告には、青色申告と白色申告の2つの形式があります。ここでは、それぞれの特徴と違いを解説していきます。2つの違いをしっかりと理解し、自分に合う申告方法を選択しましょう。

 

青色申告とは

青色申告とは、所得金額の計算において、一定の水準の記帳に基づいて申告をすると、様々な特典が受けられる制度です。正規の簿記の原則に従い、記帳を行います。

開業届と青色申告承認申請書を税務署へ提出することで、青色申告が可能になります。

 

白色申告とは

白色申告は、税制上の特典はありませんが、単式簿記による記帳と、申告時の提出書類は少ないため、経理業務が比較的簡単に行えます。

青色申告するための必要書類を提出しない場合には、自動的に白色申告となります。

 

青色申告と白色申告の違い

青色申告と白色申告には以下の点で違いがあると言えます。

 

青色申告特別控除

青色申告では、青色申告特別控除が受けられます。

これは、一定の条件に該当すれば、所得金額から55万円、e-Tax による電子申告の場合65万円が控除できるというものです。

次年度の税金を少しでも減らしたいと考える方にとっては、最大65万円控除が可能な青色申告は白色申告よりも魅力的です。

 

専従者給与

事業主の配偶者やその他の親族が事業を手伝うということがよくあります。この場合、白色申告の場合には専従者控除に、青色申告の場合には専従者給与となります。

白色申告の専従者控除の場合、配偶者は86万円、その他の親族は50万円と控除できる上限金額が決まっています。

それに対して、青色申告の専従者給与は、支払った給与の全額を計上できるという違いがあります。

ただし、青色事業専従者となるためには、15歳以上であることや1年のうち6ヶ月以上従事することなど、いくつか条件があります。該当する場合、必要書類を税務署へ提出します。

 

赤字の繰り越し

青色申告の場合に事業で損失が出た際には、その損失分を翌年以降へ繰り越せます

この繰り越した損失分を翌年以降の所得から差し引くことができるため、その年の課税所得金額を減らすことが可能です。

白色申告の場合は、繰り越すことは可能なものの、その範囲が極めて限定的となります。

 

以上をまとめると、青色申告は手続きや記帳方法は煩雑になりますが税制上のメリットは大きく、それに対して白色申告は、控除などの恩恵は受けられないですが手続きや記帳が簡単という特徴があります。

そのため、経理業務が苦手な方や、所得金額が少なく控除による節税効果を必要としない方は白色申告が向いており、多少の手間がかかっても節税したいという方は青色申告が向いているといえるでしょう。

現在白色申告で節税効果を高めたいという方は、青色申告に切り替えることを検討してみてはいかがでしょうか。

法人税の支払い時期を解説!異常事態が発生したときの例外規定についても説明

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法人税は、納税額が合ってさえすれば良いというものではありません。

企業の好きなタイミングで支払って良いわけはなく、定められた時期までにきちんと満額の支払いを済ませることも求められます。

そこでここでは法人税を支払う時期について解説し、一般的なタイミングのほか、異常事態が発生したときのような例外的なシチュエーションも想定した支払いのタイミングにも言及します。

 

法人税支払いの原則的な時期

原則として、法人税の支払いは「事業年度終了日の翌日から2ヶ月以内」に行わなければなりません。

 

企業の方が注意しないといけないのは、この「事業年度終了日」が企業によって異なるということです。

個人事業主だと確定申告の時期が誰であっても一律で、納税の時期も同じです。

 

しかし法人は事業年度終了日を各々好きに定めることができます。要は決算日が企業によって異なるため、他社のスケジュールが必ずしも参考になるとは限らないのです。

 

仮に3月31日が決算日とされている企業を考えてみましょう。この場合、上の規定に従えば、その翌日4月1日が起算日です。そして期日は起算日から2ヶ月後の5月31日となるのです。

 

期日が土日祝になることも十分に起こり得ますが、この場合は期限が翌日にまで延びます。前日までに急いで納めなければならないわけではありません。

 

災害が発生したときの支払い時期

大地震など、大きな災害が発生することによって納税が遅れてしまう可能性もあります。

しかし故意または過失が原因でないにもかかわらず延滞とみなされるのは適当とは言えません。

 

そこで「期限の延長」ができるケースがあることを知っておきましょう。

 

災害等による影響が終わってから2ヶ月以内に限って期限の延長ができるという制度です。

災害が広域に及ぶ場合には国税庁長官が地域を指定して延長の告示を行います。

他方、企業が所轄の税務署長に対して個別に延長申請を出し、その承認を得て延長してもらうことも可能です。

この申請は、期限を過ぎてしまった後でも可能ですので、異常事態により納税が遅れてしまったという場合でもこの手続を行うと良いでしょう。

 

納税が遅れるとどうなるのか

上のような申請をすることなく、正当な理由もなく指定の期限を過ぎてしまった場合、「無申告加算税」「重加算税」が発生するおそれがあります。

本来納付すべき額からさらに上乗せされる可能性が出てくるのです。

これに加え、本来の期限翌日から実際に納付した日までの延滞税がかかることもあります。この観点からも、また、社会的な評価が落ちてしまうという意味でも、できるだけ早めに納めて問題を解決すべきと言えます。

法人税を支払う方法を5種紹介!e-Taxやクレジットカード納付なども認められる

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企業の方は、1年間の事業活動の内容、売上や利益等に応じて法人税を納めることになります。どの企業にも義務として課されている納税であり、納税額および納税手続上のミスなどもないようにしなければなりません。

また、毎年必要になる手続きであるため、できるだけ効率的に済ませられるよう、自社に適した支払方法を検討することが大切です。そこでここでは、法人税の支払方法を5つ紹介していきます。

 

e-Tax(電子納税)による納付

e-Tax」を使えば全税目に関して電子納税が可能です。

電子納税であればわざわざ窓口に移動する必要がなく、手間やコストの面でもメリットが得られます。出向いた先での待ち時間などは発生しなくなりますし、大金を持ち歩く必要もなくなります。

さらに、近年であれば感染症対策にもなり、従業員の安全の確保および社会的な貢献にも繋がります。

今後は納税のみならず契約締結からその他様々な場面にて、電子上の手続が増えることが確実視されていますので、この機に電子納税にも対応しておくと良いでしょう。

 

なお電子納税の方法として「ダイレクト納付」と「インターネットバンキング」の2パターンが挙げられます。

 

法人税に限らず納付の手続を頻度高く行っている場合、また納付の日付指定をしたい場合などにはダイレクト納付が適しています。

これに対しインターネットバンキング等を利用している企業であればインターネットバンキングによる納付も便利でおすすめです。

 

いずれにしろ、法人税納付に先立ってe-Taxの開始届出書の提出が必要になりますのでこの点要注意です。

 

窓口での納付

当然、税務所や金融機関などに直接出向いて、納付することも可能です。

現金を持っていき、納付書を添えて提出しなければなりません。

現代においてはあまり利点のない方法ですので、特段の事情なく窓口納付をしているのであれば別の方法を検討しましょう。

 

振替納税

振替納税とは、預貯金口座から振替をすることによる納付の方法です。

事前に所轄の税務署あるいは金融機関に対し口座振替依頼書を提出しておかなければなりません。

税目ごとに手続は必要です。

 

クレジットカードを使った納付

Web上で、クレジットカードを使って納付することも可能です。税務署や金融機関の窓口でクレジットカードを使うわけではありません。

なお決済手数料は必要です。

 

コンビニでの納付

納付額が30万円以下と比較的少額であればコンビニで納付することも可能です。

この場合、夜間や休日などでも納付ができ、簡便に済ませられるというメリットが得られます。

 

バーコードを使った納付方法もありますが、一般的なのはQRコードを使用した納付でしょう。国税庁のHPにてQRコードを作成します。

株式会社と合同会社では設立手続きにどのような違いがあるのか

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最もメジャーな会社と言えば「株式会社」です。しかし「合同会社」が選択される例も少なくはありません。株式会社が何より優れているわけではありませんし、当然、状況によっては株式会社を設立するより合同会社を設立した方が適しているということもあります。

実際、「株式会社として会社を立ち上げようか、それとも合同会社にしようか」と悩む方もいるのではないでしょうか。ここでは設立の手続きに着目し、それぞれの違いなどを紹介します。

 

株式会社設立の特色

株式会社では株主が社員となります。社員全員が有限責任となり、それぞれから資金を集めることでより大きな経済活動が可能になる会社の形態です。

 

株式会社にはこのような性質があることから、「株式」に関する手続が生まれるという特色があります。

 

「発起人が定款を作成すること」「設立登記を行うこと」などは当然行いますが、これは株式会社に限った手続ではありません。会社として最低限行わなければならないことです。

 

これに対し株式というものは株式会社にしか存在せず、これに関連して将来の株主となる者の存在が重要になってきます。

例えば発起設立であれば出資者が発起人しかいませんので、比較的手続きはシンプルです。

しかし、投資家も株式を引き受けることになる募集設立では、それらの者の権利保護も考慮しなければなりません。そこで創立総会(株主総会に近いもの)の開催が必要となりますし、発起人は株式の割当なども行うことになります。

 

なお、定款の作成後、株式会社の場合には公証人役場にて定款の認証を受ける必要があります。

 

合同会社設立の特色

合同会社も無限責任社員が存在せず有限責任社員しかいない点は株式会社と同じです。

しかし株主のような存在がなく、会社の所有と経営が一致します。

そこで株式会社の設立、とりわけ募集設立のような面倒な手続きは行う必要がありません。

 

手続内容がシンプルであることに加え、設立にかかる費用も少なくて済みます。

定款の認証を受ける必要がありませんし、そうすると認証にかかる手数料も必要なくなります。

 

株式会社・合同会社、それぞれのメリット

株式会社を選択した場合には、大きな活動資金が得やすいというメリットがあります。大規模な事業を考えている場合には株式会社として設立するようにしましょう。

 

他方で、合同会社は小さな規模で活動するのに適しています

株主が存在しないため経営を実際に行う者以外の利害を考慮する必要がなく、素早い意思決定もできます。その他会社運営に関するルール変更が必要になったとしても、その実現までがスピーディになります。

「中小企業」と「小規模事業」は違う?補助金や助成金を受給するには用語の理解も大切

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一般用語として「中小企業」や「大企業」という言葉を耳にする機会は多いかと思います。このとき、何をもって中小企業あるいは大企業と呼ぶのか、特段意識することなく呼称しているケースが多いのではないでしょうか。

多くの場合区別の必要性がないと思われますが、補助金や助成金の受給など、特定の制度に従った活動を進める場合にはその定義を理解しなければなりません。

ここではこの観点から、中小企業基本法上の「中小企業」および「小規模事業」の定義を説明していきます。

 

中小企業と小規模事業者は異なる概念

中小企業基本法とは、中小規模の会社をターゲットとした、より経済が発展していくための施策を推進するための法律です。

そこで、中小規模の会社をひとくくりにするのではなく、さらに区分を設け、各区分に適したルールを設けています。

ここで設定されているのが「中小企業」と「小規模事業者」です。

 

一般用語としての名称とは区別して考える必要があり、企業の方は自社が同法上どの区分にあたるのかを整理していくことが大切です。

なお、同法でこうした区分がなされているのと同様に、別の法律でも似た言葉が定義されていることがありますので、混同しないよう注意しなければなりません。

例えば商工会及び商工会議所による小規模事業者の支援に関する法律だと「小規模事業者」という定義があります。

「中小企業」という名称に関しても、何法に基づく「中小企業」なのか、どの制度に基づくものなのか、という意識を持たなければ正しい判断はできません。

 

中小企業とは何か(中小企業基本法における定義)

同法では、中小企業を以下のように定義しています。

 

  • 小売業の場合
    「資本金が5,000万円以下」または「常時使用する従業員が50人以下」
  • サービス業の場合
    「資本金が5,000万円以下」または常時使用する従業員が100人以下」
  • 卸売業の場合
    「資本金が1億円以下」または「常時使用する従業員が100人以下」
  • 製造業その他の業種の場合
    「資本金が3億円以下」または「常時使用する業員が300人以下」

※「資本金」については「出資総額」と置き換えても良い

 

業種が何か、そして資本金の額か従業員の数で分けています。つまり、製造業を営んでいる場合には中小企業にあてはまるものの、小売業であればあてはまらないということも起こり得ます。

 

小規模事業とは何か(中小企業基本法における定義)

小規模事業は以下のように区分されています。

  • 卸売業や小売業などの商業およびサービス業の場合
    「従業員が5人以下」
  • 製造業その他の業種の場合
    「従業員20人以下」

 

これを見ると、中小企業よりさらに規模の小さな会社を小規模事業と呼ぶことがわかります。

 

規模がかなり小さいということで、同法ではこの区分にあてはまれば手厚い支援制度も利用できるようになっています。

個人事業主と法人では何が違う?法人成りについて知っておくべきこと

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法人は個人事業主の上位にあたる存在、ということではありませんが、事業主体が自然人個人から法人になることを「法人成り」と呼びます。

ここでは、なぜ法人成りが行われるのか、個人とは何が違うのか、といったことを解説していきます。

 

個人と法人で変わること

まずは、個人と法人とで何が変わるのか、簡単に違いを挙げていきます。

 

適用されるルールが変わる

よくある会社形態としては株式会社が挙げられます。

そして株式会社だと1人以上取締役を置かなければならず、その他監査役や会計監査人、取締役会や監査役会の設置に関する様々なルールが設けられています。

組織の構成方法にもルールがありますし、他にも会社法として多様なルールが作られています。

 

個人事業主に何らルールがないわけではありませんが、法人化し、組織として事業を営んでいくのであれば、こういった複雑なルールに準拠しつつ体制を整えていかなくてはなりません。

経営者・代表者を複数人置ける

個人事業主は事業主体が個人ですので、経営・代表ともに自分だけが担います。

しかし法人の場合は複数の経営者・代表者が置けます。

組織化して単に人手を増やすということのみならず、経営層を厚くすることで、より意思決定を慎重かつ高精度にすることが期待されます。

 

ただ、その分意思決定の早さは落ちてしまいます。

例えば取締役は各々会社を代表しますが、会社としての方向性を示すには取締役間で話し合いをしなければなりません。個人であれば良くも悪くも自分の判断のみですべてが決定できていましたが、法人成りした後はそうはいきません。

 

課税の仕組み

個人事業主と法人とでは課税の仕組みが異なります。

そのため、節税対策もその効果も変わってきます。

例えば利益が300万円程度であれば個人事業主のほうが納税額は小さくて済みます。

他方、利益が1,000万円近くにまで達すると、法人成りしたほうが少なくて済みます。

 

また、消費税に関しては法人成りのタイミングが重要になってきます。

法人であるとを問わず売上額が年間1,000万円を超えてくると翌々年から消費税の納付が必要になってくるのですが、個人事業主として売上が1,000万円を超え、翌年に法人成りすればさらにそこから2年後の納税義務となり、1年分課税機会を減らすことが可能なのです。

 

社会保険への加入

デメリットの要素も兼ね備えますが、法人成りによって、社会保険への加入が可能となります。

従業員へのサポートを厚くすることができる一方で、法人側の負担は増えます。保険料の負担に加え、事務的な負担も増えてきます。

 

まとめ

他にも法人化することで変わることは色々あります。制度上、法人成りによって直接的に起こる変化から、メンバーが増えることによる事務負担の増加などといった付随的な変化など様々です。

個人事業主が法人化をするベストなタイミングとは?

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個人事業主で「いずれは法人化しよう」と考えている方もいるのではないでしょうか。ここでは個人事業主が法人化をするベストなタイミング、その判断において重要な観点を解説していきますので、ぜひ参考にしてください。

 

法人でなければできない事業を行うとき

事業内容によっては許認可を受けなければならないものもあり、その前提として会社設立が求められるケースがあります。

そのため、これまでの事業に加えて、こういった事業に取り組む場合にはそのタイミングで法人化をするしかありません。

 

より大きな資金調達をしたいとき

融資を受ける場合、個人事業主よりも法人であるほうが信頼を得やすく、資金調達を成功させやすいです。

そのため、新たに事業を拡大していきたいが資金が必要だ、と考えている方は法人化を視野に入れると良いでしょう。

ただし、法人化しさえすれば信頼が得られるわけではありませんので、数年の事業実績があった方が良いということも理解して計画的に進めることが大事です。

 

取引先の開拓を行うとき

前項の内容とも関係しますが、法人化しているほうが社会的な信用を得やすいことから、取引先の開拓にも効果を発揮します。

そこで「新たに多数の企業と取引を始めたい」「大手企業とも取引をしたい」「一般消費者にも広く製品・サービスを利用して欲しい」などと考えているのであれば法人化も一つの手であるということを知っておくべきでしょう。

 

消費税の納税義務が生じるとき

個人事業主の場合、売上高が1,000万円を超えると消費税の納税義務が生じます。

ただし、実際に納税をしないといけないのは2年後です。

そして、法人でもこのことは同様で、売上が1,000万円を超えてから2年後に課税されます。

そのため、1,000万円を超えた次の年に法人化をすればできるだけ長く納税を避けることが可能となる仕組みになっています。このことも知っておきましょう。

 

課税所得が大きくなったとき

売上から経費等を引いた「利益」もポイントになります。

なぜなら個人事業主と法人では課税所得にかかる税率が変わるからです。

法令によって厳密な納税額は変わりますし、その他様々な事情も関わってきますので、細かくは専門家に計算してもらう必要があるでしょう。

なお、目安としては課税所得が800万円程度で法人化をするのが良い、とされています。

 

複数人で経営をしたいとき

事業規模拡大とも通ずる話ですが、取締役などの役員を複数設け、多数人で経営をしていきたいと考えているのであれば法人化すべきです。

個人事業主はその名の通り、個人向けです。そのためチームとして、組織的に活動をしていきたい状況がやってきたのなら法人化すべきでしょう。

減価償却に関する特例を知って経費を調整しよう

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パソコンや製造設備・機械、その他備品等を購入した場合、購入した年でまとめて経費に計上することはできません。それぞれの内容に合わせた耐用年数で割って計上していかなくてはなりません。

徐々に価値が下がっていくことに由来するためこれを減価償却と呼び、特例もいくつかあります。節税などを狙う上では特例についても把握しておくことが大事です。

 

購入金額が10万円に満たないケース

特例の1つですが、ある購入したものの価格が「10万円に満たない」場合には、その全額をその支出があった年の経費にすることができます。

当然ながら、使用可能期間が1年に満たないものも同じように扱うことができます。

 

購入金額が20万円に満たないケース

金額が10万円以上でも、20万円に満たない場合には一定の要件の下、当該資産の全部または特定の一部を一括して、その合計価額の1/3相当分を、購入した年以後3年間の各年分で、経費にすることが認められます。

簡単に言い換えると、「本来の耐用年数などに関係なく、取得した年から3年で、均等に減価償却ができる」という意味になります。

そしてこの場合の資産を「一括償却資産」と呼びます。

 

購入金額が30万円に満たないケース

青色申告をしている個人事業主、中小企業に限られますが、資産が30万円に満たない場合、年間300万円を限度に、一括計上できる特例もあります。

これは「中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例」と呼ばれます。

 

つまり、1つあたり30万円未満のものが複数ある場合、合計して300万円に達するまでであれば、まるまる取得した年の分として経費に算入できるということです。

工場に配備するような大きなものはなかなか適用させることは難しいですが、一般的な事務所に置かれるような各種備品であれば、この特例を活用することができるでしょう。

個人事業主や規模の小さな企業はぜひ知っておきたい特例です。

 

特例を活用するメリット

比較的低額の資産であれば、上記の通り、特例を活用できることが多いです。特例を使わなかったとしても最終的には全額分経費に入ることに違いはありません。

しかしながら、特例を活用することで「節税」や「経理業務の簡略化」といったメリットが得られます。

 

上手く計上することで節税し、キャッシュを残しやすくもなります。また、適用できるものに関しては、経理担当が細かく耐用年数等を把握し、処理する必要もなくなります。

特に、個人事業主のように1人で対応している場合などには、こういったバックオフィスの部分で省力化を図るのは大きな意味を持つでしょう。

減価償却の対象になる物の具体例や耐用年数を紹介

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減価償却をする場合、その資産の価額と特例適用の可否、そして耐用年数について知っておくことが大切です。ここでは、減価償却の対象となる物を紹介し、それぞれの耐用年数も列挙していきます。

 

減価償却は耐用年数がポイント

減価償却の対象になる物は、複数年に渡って使用可能な物です。

耐用年数が1年以上でなければなりません。そのため徐々に価値が下がって継続的に使用していくものであったとしても、10ヶ月でその価値がなくなると考えられるものはその年で丸々経費に計上できます。

 

そして、具体的な計上金額は耐用年数・使用可能期間に応じて変わってきますので、大きな支出があったとしてもその年における計上額はそれほど大きくならない可能性もあります。

経理担当、あるいは自分一人ですべて対応している個人事業主などは、以下で挙げる対象物と耐用年数について知っておきましょう。

 

減価償却対象と耐用年数

どんな物が対象になり、どれだけの耐用年数になるのか、これに関しては法定されています。

以下でその一部を列挙していきます。

 

対象物例)建物の耐用年数

  • 木造で、事務所用のもの:24年
  • 木造で、工場用のもの:15年
  • 鉄骨鉄筋コンクリート造で、事務所用のもの:50年
  • 鉄骨鉄筋コンクリート造で、工場用のもの:38年
  • れんが造・石造・ブロック造のもので、事務所用のもの:41年
  • れんが造・石造・ブロック造のもので、工場用のもの:34年
  • 金属性のアーケードや日よけ設備:15年
  • 金属性以外のアーケードや日よけ設備:8年

 

対象物例)生物等の耐用年数

  • 乳用牛:4年
  • 食用の牛:6年
  • 種付用のやぎ:4年
  • 種付用以外のやぎ:6年
  • なし樹:26年
  • 桃樹:15年

 

対象物例)車両の耐用年数

  • 一般用の、小型車:4年
  • 一般用の、自転車:2年
  • 運送事業用の、大型車:5年
  • 運送事業用の、自転車:2年

 

対象物例)備品の耐用年数

  • 金属性の事務机:15年
  • エアコン:6年
  • 電気・ガス機器:6年
  • パソコン:4年
  • コピー機:5年
  • 時計:10年
  • 看板:3年

 

対象物例)機械等の耐用年数

  • 農業用設備:7年
  • 食料品製造業用設備:10年
  • 総合工事業用設備:6年
  • 倉庫業用設備:12年
  • 飲食料品小売業用設備:9年
  • 宿泊業用設備:10年

 

やはり長く持たない物に関しては耐用年数が短く、素材やその他性質上長く使い続けられる物に関しては長期の耐用年数が設定されています。

 

他にも色んな物が減価償却の対象となっていますので、ご自身の事業で使用している大きな物、耐用年数が観念される物がある場合には、その耐用年数を調べるようにしましょう。

また、経費の額を調整するために何かを購入するのであれば、耐用年数もあらかじめ考慮しなければなりません。耐用年数に応じた額が算入されると分かっていないと、狙った通りの節税効果は得られません。

減価償却とは何?基本的な考え方やルールの概要を解説

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経費の大きさは、翌年以降収める税金の大きさを左右するため重要です。

しかし、大きな支出があったからといって常に丸々その年の経費に計上できるとは限りません。ここで観念されるのが「減価償却」です。ここではこの減価償却のルールについて解説していきます。

 

減価償却とは

事業用に大きな設備を備えたり、機械を置いたりした場合、それらの物は経年により徐々に価値が減っていきます。パソコンなどもそうですが、一度購入したものを永続的に使用し続けることはできません。

こういった徐々に価値が下がっていく物を「減価償却資産」と呼びます。

 

そして、減価償却資産を取得するのに支出した費用は、その時点で全額必要経費になるわけではありません。

価値が下がっていくのに合わせて消費するように、必要経費として計算するのです。

 

そのため減価償却資産に関しては使用可能期間の把握と分割の方法を知っておかなければなりません。

 

減価償却の意義

減価償却があることによって、思い通りに経費計上ができないことがあります。そこで、なぜ減価償却といった仕組みができているのか、と疑問に思うこともあるでしょう。

 

減価償却が必要とされる理由にはいくつかあり、その1つに「費用収益対応の原則」が挙げられます。

この原則は、期間の経過に伴い生ずる収益と費用の内容を対応させるというものです。

実際、資産は何年もかけて、経年劣化をしながら収益を生み続けます。そのため一括で購入をしたとしても、実質的には徐々に経費を使って利益を得ている状態に近いと捉えるのです。

 

減価償却にもメリットがある

ルールをよく知らない方からすると面倒に思うかもしれませんが、減価償却にもメリットがあります。

1つは節税効果の調整がしやすいということです。

一括で、購入した時点で計上しないといけないとすると、かえって困ることも出てきます。しかしこれを「原則分割して経費に算入し、例外的に特例を活用してまとめて処理することもできる」という扱いにすることで、事業者ごとに節税効果を調整しやすくなっています。

 

また、経営成績を正確に把握しやすくなるというメリットもあります。

一括での計上しか認められないと、その期における費用だけが莫大になってしまうことがあります。しかしこれを耐用年数に対応させることで、適切な損益計算もしやすくなります。

 

ここでは減価償却の概要や、基本的な考え方を紹介しました。

実務上は、少額減価償却資産の特例なども活用しつつ計上していくことが重要になりますので、特例の内容についても知っておく必要があるでしょう。

個人事業主は何をどこまで経費にできる?基本的な考え方や注意点も解説

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昨今、様々な働き方ができるようになり、個人事業主として活動しやすくなってきています。

しかし、個人事業主として事業を継続していくためには、ただ依頼内容をこなすだけでなく、経費の計上など、事務的な作業も適切に行わなければなりません。

特に身近な問題としては「何をどこまで経費として含めることができるのか」ということが挙げられます。以下ではこの疑問を解消するよう、基本的な考え方や注意すべきポイントなどを解説していきます。

 

何を経費にできる?

まれに、「個人事業主であれば生活費もすべて経費にできる」などという意見も聞きますが、これは間違いです。

場合によっては、私生活に密接に関わる出費も経費に含めることもできますが、単にプライベートで支出したものを経費に含めるのは違法です。

 

重要なのは、「事業を遂行するために必要で、そのために使った費用である」ということです。そのため同じ食事に対する出費でも、仕事終わりに食べた夕食と、取引先との打ち合わせを兼ねて会食をした、というケースでは扱いが全く異なります。前者は当然経費にできませんし、後者は経費になり得ます。

なお、勤務時間中に食べた昼食であったとしても、経費にはなりません。事業のために使った費用ではないからです。

 

支出の内容について、厳密にルールを確認する必要があるものもありますが、判断が容易ではなくあいまいなものも多数あります。

そのため、基本的には事業目的と言えるかどうかを大きな判断基準に考えます。

 

生活費でも一部経費になる

自宅で仕事をしている個人事業主の場合、「家事按分」について知っておく必要があります。

ルールの範囲内で適用させることで、効果的に節税効果が狙えます。

 

家事按分を簡単に説明すると、生活費をプライベート分と事業用の費用に分けることを言います。

例えば自宅が仕事場にしており、専用の部屋を設けているのであれば、その部屋分の家賃は経費と捉えることもできます。その部屋で消費した電気代や通信費なども同様です。

 

なお、按分の仕方には注意が必要です。

何割を経費にするのか、これには根拠が必要です。適当に2分の1などとするのではなく、「部屋数が全部で3つ、オフィスとして使っているのは1部屋だから3分の1」などと設定することが大事です。

 

経費にできないものに注意

家賃などが一部経費にできる反面、以下のものは経費にできませんので注意しましょう。

 

1つは事業者個人にかかる税金です。所得税や住民税などは事業のために必要な出費ではありませんので、含めることは許されません。

 

福利厚生も不可です。会社の場合だと福利厚生を有効活用できますが、個人事業主は従業員ではありませんし、家族が従業員の場合にはこれを経費として計上できません。

 

また、健康診断の費用も経費にできません。会社に属している場合とは異なり自己負担です。

個人事業主が最低限知っておくべき経費の注意点

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個人事業主となるのであれば、売上を出すためだけの仕事をしていたのでは不十分です。経費の計上など、バックオフィスの部分もきちんとこなせなければなりません。そこでここでは、まず知っておくべき、経費に関する最低限の知識、とりわけ注意すべきことを解説していきます。

 

経費の計上の仕方で負担が大きく変わる

ごくごく基礎的な話になりますが、事業の継続性は売上よりも収益が重要です。売上が非常に重要であることに違いはありませんが、収益・利益が生まれていなければ事業を続けることは困難です。そして売上に対する収益の割合を増やすためには経費を減らすことが基本となります。

 

しかし、収益が増え、所得が増えると、その分税金の負担が増えることになります。そのため、経費の計上の仕方によって事業者個人が負う税金等の負担が変わってくるということは理解しておかなければなりません。

 

領収書は確実に保管

それではもう少し実務的な内容に入っていきましょう。経費をバランス良く使えば税金等の負担が軽減されるということですが、そのためには、常日頃経費が発生したときに領収書を受け取らなければなりません。

なぜなら、国としては本当に経費として使ったのかどうかを確認したいからです。

本当は経費として支出していないのに経費にされていると、徴収できる税金が減ってしまいます。

 

なんでも経費になるわけではない

領収書を受け取っていれば何でも経費になるわけではありません。

当然、事業として使ったものだと説得できる内容でなければいけません。

 

例えば住民税や所得税などは事業そのものに関して発生したものではないため、計上負荷です。個人事業主がプライベートで購入したものもだめです。

逆に、自宅で業務をしているのであれば、家賃等の一部を経費として計上することは可能です。

 

税務調査を受ける可能性がある

確定申告で提出した内容が本当かどうか、税務調査を受ける可能性があります。

そこで正しいことの証明をするため、領収書などが必要になるのです。ただ、すべてが確認されるわけではありません。実際のところ調査を受ける例は少ないですし、よほど異常な計上をしていなければ調査の対象とはなりません。

 

調査の対象となりやすい例としては、例えば売上に対する経費の割合が大きすぎるような場合です。この場合、プライベートで支出したものまで経費に含んでいるのではないかと疑われる可能性がでてきます。

 

ここではごく基本的なことのみを紹介しましたが、重要なのは「嘘の内容を申告しないこと」、「経費に含めるのは事業目的で支出したものだけにする」ということです。税務署からペナルティを受けることのないよう、注意しましょう。