青色申告と白色申告の概要とそれらの違い、メリット・デメリットを解説

確定申告には、青色申告と白色申告の2つの形式があります。ここでは、それぞれの特徴と違いを解説していきます。2つの違いをしっかりと理解し、自分に合う申告方法を選択しましょう。

 

青色申告とは

青色申告とは、所得金額の計算において、一定の水準の記帳に基づいて申告をすると、様々な特典が受けられる制度です。正規の簿記の原則に従い、記帳を行います。

開業届と青色申告承認申請書を税務署へ提出することで、青色申告が可能になります。

 

白色申告とは

白色申告は、税制上の特典はありませんが、単式簿記による記帳と、申告時の提出書類は少ないため、経理業務が比較的簡単に行えます。

青色申告するための必要書類を提出しない場合には、自動的に白色申告となります。

 

青色申告と白色申告の違い

青色申告と白色申告には以下の点で違いがあると言えます。

 

青色申告特別控除

青色申告では、青色申告特別控除が受けられます。

これは、一定の条件に該当すれば、所得金額から55万円、e-Tax による電子申告の場合65万円が控除できるというものです。

次年度の税金を少しでも減らしたいと考える方にとっては、最大65万円控除が可能な青色申告は白色申告よりも魅力的です。

 

専従者給与

事業主の配偶者やその他の親族が事業を手伝うということがよくあります。この場合、白色申告の場合には専従者控除に、青色申告の場合には専従者給与となります。

白色申告の専従者控除の場合、配偶者は86万円、その他の親族は50万円と控除できる上限金額が決まっています。

それに対して、青色申告の専従者給与は、支払った給与の全額を計上できるという違いがあります。

ただし、青色事業専従者となるためには、15歳以上であることや1年のうち6ヶ月以上従事することなど、いくつか条件があります。該当する場合、必要書類を税務署へ提出します。

 

赤字の繰り越し

青色申告の場合に事業で損失が出た際には、その損失分を翌年以降へ繰り越せます

この繰り越した損失分を翌年以降の所得から差し引くことができるため、その年の課税所得金額を減らすことが可能です。

白色申告の場合は、繰り越すことは可能なものの、その範囲が極めて限定的となります。

 

以上をまとめると、青色申告は手続きや記帳方法は煩雑になりますが税制上のメリットは大きく、それに対して白色申告は、控除などの恩恵は受けられないですが手続きや記帳が簡単という特徴があります。

そのため、経理業務が苦手な方や、所得金額が少なく控除による節税効果を必要としない方は白色申告が向いており、多少の手間がかかっても節税したいという方は青色申告が向いているといえるでしょう。

現在白色申告で節税効果を高めたいという方は、青色申告に切り替えることを検討してみてはいかがでしょうか。