個人事業主で「いずれは法人化しよう」と考えている方もいるのではないでしょうか。ここでは個人事業主が法人化をするベストなタイミング、その判断において重要な観点を解説していきますので、ぜひ参考にしてください。
法人でなければできない事業を行うとき
事業内容によっては許認可を受けなければならないものもあり、その前提として会社設立が求められるケースがあります。
そのため、これまでの事業に加えて、こういった事業に取り組む場合にはそのタイミングで法人化をするしかありません。
より大きな資金調達をしたいとき
融資を受ける場合、個人事業主よりも法人であるほうが信頼を得やすく、資金調達を成功させやすいです。
そのため、新たに事業を拡大していきたいが資金が必要だ、と考えている方は法人化を視野に入れると良いでしょう。
ただし、法人化しさえすれば信頼が得られるわけではありませんので、数年の事業実績があった方が良いということも理解して計画的に進めることが大事です。
取引先の開拓を行うとき
前項の内容とも関係しますが、法人化しているほうが社会的な信用を得やすいことから、取引先の開拓にも効果を発揮します。
そこで「新たに多数の企業と取引を始めたい」「大手企業とも取引をしたい」「一般消費者にも広く製品・サービスを利用して欲しい」などと考えているのであれば法人化も一つの手であるということを知っておくべきでしょう。
消費税の納税義務が生じるとき
個人事業主の場合、売上高が1,000万円を超えると消費税の納税義務が生じます。
ただし、実際に納税をしないといけないのは2年後です。
そして、法人でもこのことは同様で、売上が1,000万円を超えてから2年後に課税されます。
そのため、1,000万円を超えた次の年に法人化をすればできるだけ長く納税を避けることが可能となる仕組みになっています。このことも知っておきましょう。
課税所得が大きくなったとき
売上から経費等を引いた「利益」もポイントになります。
なぜなら個人事業主と法人では課税所得にかかる税率が変わるからです。
法令によって厳密な納税額は変わりますし、その他様々な事情も関わってきますので、細かくは専門家に計算してもらう必要があるでしょう。
なお、目安としては課税所得が800万円程度で法人化をするのが良い、とされています。
複数人で経営をしたいとき
事業規模拡大とも通ずる話ですが、取締役などの役員を複数設け、多数人で経営をしていきたいと考えているのであれば法人化すべきです。
個人事業主はその名の通り、個人向けです。そのためチームとして、組織的に活動をしていきたい状況がやってきたのなら法人化すべきでしょう。