会社設立後の運営に書かせない、債権回収のお話

ビジネスでは、いくら売上を挙げても、お金を回収できないと意味がありません。

 

タイトルにある「債権回収」と聞くと、なんだかおどろおどろしく感じるかもしれませんが、要は「相手に提供した価値分のお金を、きちんと先方からいただきましょう」という話です。

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債権を回収するまでがビジネス

ビジネスというと、顧客に契約してもらい、価値を提供することが前提になります。

 

しかし、価値を提供しても、お金を受け取ることができなければ意味がありません。

 

売上を挙げるだけでなく、売上分をきちんと回収するまでが仕事です。

 

当たり前のこととわかっているけれども、いざ自分がその立場になると、様々な事情で強くいえなかったり、遠慮してしまうことも出できがちです。

 

そこで、債権を回収しやすくなるための、基本的なポイントをおさえておきましょう。

 

債権回収をスムースに行うために、取引当初から心がけたいポイント

・極力先払いでお願いする

一番良いのは、先方から先に払ってもらうことです。(様々な事情で難しい業種も多いかと思いますが・・・)

 

全部は難しくても前金として半分など一定額を請求する、「当社はどのお客様に対しても、先払いでいただく規定となっております」と説明するなど、最初から先払いをしてもらうことが、債権回収で悩む事をなくします。

 

対法人向けのビジネスは難しいところがあるかもしれませんが、対個人の場合は、先払い、もしくはサービスの提供と同時払いをお願いすることを、特に心がけた方がよいでしょう。

 

なかなか自社からだといいにくいという所はあるかもしれませんが、「当社はこういう規定となっております」とすると、意外と納得してくれるケースも多いです。

 

もしここで、相手が強くクレームをいう場合は、他のことでもクレームを発生させる可能性がありますので、ある意味最初のうちにスクリーニングできてよかったと割り切るべきでしょう。

 

それ以外の前金・納品時同時回収が多い業種は、請求書の発行(一見当たり前のようですが、請求書の発行をしない会社も意外とあります)を行い、2週間後や月末締めなど、期限をきちんと区切り請求を行うことです。

 

また、期限までに入金がない場合「どういうご事情ですか」と連絡し、状況確認をすることは不可欠です。

 

ともかく、取引相手に「ここはお金のことはきっちりしているな」と思ってもらうことで、相手が「この取引先への入金は後回しでいいや」と思われないようにすることです。

 

債権回収は、1円でもきちんと回収するという意志が必要

債権回収においては、「できるだけ早く」「1円も残らず全額回収する」という気持ちが重要です。

 

なかなか自分だけだと、回収で強くいえないというケースも多いかもしれません。その場合は、事務スタッフなど、第三者から請求させるという手もあります。

 

また、カドが立たないように、「念のため、申し訳ないですけど再度請求を行いますね」と伝えることも重要です。

 

債権回収というと、昔のドラマのように強引に回収するイメージもありますが、様々な証拠の保全が簡単になった現在(ICレコーダー・スマホで録音するなど)、強い口調で取り立てを行うと、逆に何らかの形で反撃される可能性もあります。

 

そのため、自社から直接請求するときは丁寧に、それでも応じない場合は、弁護士などの専門家に相談し(コスト割れしない金額であることが前提、コスト割れする場合は自社で対処)、内容証明の送付など相応の処置を行うことが必要です。

 

また、コスト割れする場合でも、今後同じことが起きないようにするという意味で、弁護士に「今後同じトラブルが起きないように」という観点で相談するのも一つの考え方です。

 

あくまで厳しいことは自分からいわず相手に気づいてもらう、それでわからない相手なら、弁護士などを通し連絡するか、少額ならばこまめに連絡をし、少しでも支払いをしてもらうとともに、その相手との新規の取引は控えることです。

 

なかなか経営者でも、売上を伸ばすのは好きという人はいても、債権回収をするのが好きという人は多くないでしょう。

 

また、債権回収をせずにすむような状況を作ることも経営者の仕事と言えます。

 

いずれにせよ、売上分のお金を現金で回収するまでが仕事であることを心得ましょう。